特設レストランで一般へ、食いくP推進委による秋のすみたっ子給食/住田(別写真あり)

▲ 「すみたっ子給食」を初めて一般に提供=保健福祉センター

 

 住田町食いくプロジェクト推進委員会による「すみたっ子給食」レストランは1日、保健福祉センターで行われた。町内の保育園、学校で実施しているすみたっ子給食を初めて一般に食べてもらう場となり、11日(水)に予定する秋のすみたっ子給食メニューをひと足早く提供。新米や豚肉、旬の野菜と町内で生産された食材をふんだんに用いた給食が用意され、同日開かれたすみた産業まつりの来場者らが舌鼓を打った。

 すみたっ子給食は、将来を担う子どもたちの心と体を育む食育推進事業の一環として、住田の食の魅力再発見、地場産物の利用促進を目的に町と町教育委員会が平成26年度から実施。本年度からは、庁内の横断的チームで食育推進事業に取り組む「食いくプロジェクト」の活動にも位置づけている。
 年に4回、春夏秋冬に合わせて旬の町産食材を豊富に使用したメニューを考案し、町内の保育園、小中学校、高校に提供。11日には秋のすみたっ子給食として、通算4回目の実施を予定している。
 今回のレストランは、同まつりの関連行事として企画。すみたっ子給食を核とした多様な食と食産業への展開を図るとともに、町内外への食育推進事業の発信、周知を目的とした。
 メニューは、秋の給食で提供する「新米ご飯」「実りの秋のさつま汁」「ありすポークの特製メンチカツ」「りんごと白菜のヘルシーサラダ」「牛乳」に、夏の給食で好評だったフライドチキン「すみチキ」を加えたもの。
 このうち、さつま汁は地元産のサツマイモやニンジン、ダイコン、豆腐などを使った、具だくさんのみそ汁となっている。このほかにも安全で安心な旬の住田産食材を多く用い、牛乳は大船渡地方農業振興協議会が提供した。
 調理には町食生活改善推進協議会が協力し、前日から仕込みなどに当たった。給食の提供数は、当初の計画では今年の町制施行60周年に合わせて限定60食としていたが、20食を追加。食券を1食300円で販売したところ、80食分が販売開始から1時間で完売した。
 レストラン内には学校の給食さながらに配膳コーナーが設けられ、出来たての各メニューがズラリ。来場者らは食券と引き換えに、食改会員から主菜、副菜が盛りつけられたトレー、ご飯、さつま汁、牛乳を受け取り、好きな席に着いた。
 そして、各自で「いただきます」。世代を超えた町内外の来場者らが給食を味わい、住田産食材の味に理解を深めた。会場では、給食の味やプロジェクトの取り組み、住田を自慢できる食材などを聞くアンケートを実施し、来場者らに協力を呼びかけ。合わせて、さつま汁とサラダのレシピも配った。
 産業まつりへの出展のために宮城県仙台市から訪れた藤岡政樹さん(55)は、「給食は懐かしい。おいしくて、今の子どもたちがうらやましく思う」と笑顔。夫や子どもと一緒に来場した世田米の菅野幸江さん(39)は「おいしかった。なかなか家で住田産食材を使った料理を作って食べさせていなかったので、レシピをもとにさつま汁を作ってみたい」と話していた。
 推進委側では、アンケートの結果をプロジェクトの各活動につなげていく考え。給食メニューを一般向けに展開する際や、新たな住田産食材の掘り起こしに向けた参考にしていくという。