侍ジャパンのスコアラーに、大船渡出身の志田さん(ヤクルト)

▲ 侍ジャパンのスコアラーを務める志田さん(写真は志田さん提供)

 8日(日)開幕の野球世界一を決める「世界野球WBSCプレミア12」(世界野球ソフトボール連盟主催)に出場する日本代表「侍ジャパン」。大船渡市出身でプロ野球「東京ヤクルトスワローズ」元選手、現スコアラーの志田宗大(むねひろ)さん(36)が日本代表のスコアラーを務める。今季のヤクルトの14年ぶりリーグ制覇を裏方で支えた自信を胸に、頂点の座を狙う選抜選手とともに国際戦に臨む。

 

8日開幕の世界野球プレミア12

今季セリーグ制覇支えた自信秘め

 

 同連盟(WBSC)登録の上位12カ国で争われる第1回大会で、日本と台湾を会場に21日(土)まで38試合が行われる。

 6チームごとの1次ラウンドは総当たり戦で、2次ラウンドは1次ラウンド上位4チームによるトーナメント戦で競う。

 Bグループに入った世界ランク1位の日本は8日、札幌ドームでの開幕戦で宿敵・韓国と対戦する。開幕投手は、岩手出身の二刀流・大谷翔平選手(日本ハム、21、花巻東高卒)が務める予定となっている。

 同グループには同2位のアメリカもおり、し烈な戦いが予想される。大会を前にした5、6日には2年前の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」準決勝で敗れたプエルトリコとの強化試合もあり、前哨戦として結果に注目が集まる。

 志田さんは蛸ノ浦小、赤崎中、仙台育英高、青山学院大を経て、平成13年にヤクルトに入団。走攻守3拍子そろった外野手としてルーキーイヤーから活躍し、22年に現役引退した。

 その後は球団のスコアラーを務め、相手チームのデータ収集、戦力分析などでチームに貢献。就任5年目の今季は、史上まれに見る混戦となったセ・リーグで14年ぶりの王者となり、志田さんも「優勝は入団後初。本当にうれしかった」と喜ぶ。

 侍ジャパンのスコアラーを担うのは、志田さん一人のみ。「責任も大きく、プレッシャーもあるが、それ以上に自分のやってきたことが世界にどれだけ通じるかという楽しみの方が大きい。幸せなことです」と期待を口にする。

 10月に入ってヤクルトのスコアラーとしての業務と並行しながら、大会で顔をあわせる他チームの分析に取り組んできた。

 大会を間近に控えて「選手の背中を押すようなサポートができれば。もちろん目指すは優勝のみ」と力強く語る。「気仙で(自分のことを)応援し続けてくれる方も大勢いる。その人たちへの恩返しの意味も込めて、試合を通じ被災した古里を励ましたい」と誓う。