仮設入居8547戸、ピーク時比35%減/県が復興インデックス公表

▲ ピーク時より35%減となった応急仮設住宅の入居戸数(写真は大船渡市内)

 

 県は気仙を含む沿岸12市町村を中心とした復旧・復興状況を示す「第16回いわて復興インデックス報告書」を公表した。応急仮設住宅の入居戸数は10月末時点で8547戸と依然として仮住まいでの生活を余儀なくされている被災者がいるものの、ピーク時よりも35・4%減。被災者の多くが移り住む災害公営住宅の整備戸数は9月末現在で2216戸と前回公表時(6月末現在)より427戸増。進ちょく率は7ポイント上昇し38%に達し、恒久住宅への移転は徐々に進んでいる。

 

恒久住宅への移転徐々に、災害公営住宅整備率は38

 

 いわて復興インデックスは、本県の復旧・復興の現状やその推移を把握するもの。県の復興計画に掲げる三つの原則(安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生)にかかる代表的な統計データを取りまとめており、3カ月ごとに更新している。

 最新版の16回目では、復興を表す参考指標として新たに「新規求人に占める正社員の割合」「新規高校卒業者の県内就職者数の推移」「製造業事業所数・従業者数」「製造品出荷額」の4項目を追加した。

 主なデータを見ると、「暮らしの再建」分野のうち、集約化が進められている応急仮設住宅の入居戸数(遠野市、住田町を含む)は、10月末現在で8547戸。3カ月前より535戸減となり、24年1月のピーク時(1万3228戸)対比で35・4%減となった。

 災害公営住宅は9月末現在の完成戸数が県整備分1049戸、市町村整備分1167戸の計2216戸。建設予定戸数5771戸(県整備分2784戸、市町村整備分2987戸)に対する進ちょく率は38%となった。

 進ちょく率の内訳は県整備38%、市町村整備39%。前回公表時(6月末時点)よりも市町村整備分は4%増で、県整備分については13%増と大幅に伸びた。

 7~9月における新設住宅着工戸数は829戸、前年同期間比3・5%減となった。

 まちづくり(面整備)事業における宅地の完成区画数は、9月末現在で1626区画。3カ月前より341区画増えた。計画する8064区画に対する進ちょく率は3カ月前より4ポイント増の20%とようやく2割台に入った。

 沿岸12市町村の人口は10月1日現在で24万6006人。震災前(23年3月1日現在)と比較すると、2万6931人減で、右肩下がりを続けている。前回公表時(7月末時点)よりは615人減。

 市町村別の震災前からの減少数は、陸前高田市が4124人で減少率は17・8%と、12市町村トップの大槌町の24・4%に次ぐ高さ。大船渡市の減少数は2555人、減少率は6・3%となっている。

 また、沿岸部の震災以降の社会増減数は、累計で1万1336人減。

 市町村別に見ると、大槌町の1937人減がトップで、陸前高田市の1508人減は3番目。大船渡市は860人減だった。

 「なりわいの再生」分野の水産業では4~9月における産地魚市場水揚げ量が4万4406㌧と震災前3カ年同期の平均値より33%減となっている。養殖の生産量も2万4554㌧で、震災前の33・3%減と落ち込んでいる。