初回の返礼品発送へ、ふるさと納税の寄付者に/住田町

▲ 住田町がふるさと納税の返礼品として発送する町産米「敦盛ゴールド」

町産米や特産品セット

特産品セット

特産品セット

 10月に新たなふるさと納税制度「住田町まちづくり応援寄附」と、寄付者に町の特産物を贈る返礼品発送事業をスタートした住田町。今月には初めて、町へ1万円以上を寄付した希望者に返礼品を送る。初回は今年4月までさかのぼり、10月末までに寄付を行った9人に町内産の米や特産品セットを発送する計画。町は今後、返礼品の種類拡大も検討しながら、広くふるさと納税制度をPRしていく。

 ふるさと納税は、出身地といった特定の自治体に寄付する制度。平成27年度には、寄付をした際の還付、控除額が2割程度に拡大されるなどの税制改正がなされた。

 「森林・林業日本一の町づくり」を掲げ、特色あるまちづくりを進めてきた住田町。20年にふるさと納税制度として「住田町森林・林業日本一の町づくり寄附条例」を制定し、森林・林業を通じたまちづくりや教育などに活用してきた。開始から今年9月末までの総額は121件、1601万6000円となった。

 10月1日には、新たに寄付金の使途を幅広いまちづくり事業に拡大した「町まちづくり応援寄附条例」を施行。「森林・林業日本一の町づくり」「子育て・福祉・医療の充実」「教育・文化・スポーツの振興」「住民活動団体の支援」「そのほかのまちづくり」の5分野を設定し、支援したい分野へ寄付してもらう。このうち、「住民活動団体の支援」は、町内に主たる事務所を置いて活動し、支援を希望する法人や任意団体へ直接寄付ができる。

 町によると10月分の寄付件数は5件、255万円。このうち、4団体が手を挙げた住民活動団体の支援には、総額100万円余りが寄せられたという。

 返礼品事業は、1口(1万円)以上から希望する寄付者に町産品を送る(住民活動団体の支援は除く)もので、町内物産品などの全国展開と地場産品の消費による町民所得の向上も目的としている。初回は4月までさかのぼって実施。該当者は10人で、このうち9人が返礼品を希望した。

 現在、返礼品として用意しているのは、町産米5㌔または特産品セットの2種類。町産米は上有住の両向ピア・ファームが有機質肥料を利用し、酵素と有効微生物を活用して育てた「敦盛ゴールド」で、品種はひとめぼれ。町内小中学校の給食にも使われている。

 特産品セットは、みそ汁や炊き込みご飯のもと、切り干し大根、梅干し、住田にんにくチキンカレーなどの中から、厳選した商品を用意。いずれも安全、安心な町産の野菜や鶏肉を使用、加工した品となっている。

 返礼品は1口で1点、希望する品を受け取ることができる。5口以上は5点で、複数の場合は米と特産品セットの組み合わせ、米だけなど、自由な組み合わせを希望することができる。

 初回発送分は、5口が6人、2口が2人、1口が1人で、米が21点、特産品セットは14点申し込みがあった。町では返礼品の数や発送先をとりまとめた上、関係業者を通じて今週中をめどに各寄付者に送る予定という。

 返礼品は今後、4カ月に1回のペースで実施。次回は来年3月の発送を計画している。

 町では返礼品について、「町内には、もっとさまざまな特産品がある。これらを活用できるよう、今後は品数の拡大も検討していきたい」としている。