五十集屋(大船渡)の商品が準グランプリ、全国コロッ ケフェスで
平成27年11月27日付 7面

大船渡市三陸町越喜来の㈱五十集屋(いさばや、野田修一社長)の「五十集屋コロッケ」が、富山県高岡市で22日に開かれた「全国コロッケフェスティバルin高岡」で準グランプリを獲得した。三陸産のホタテ貝柱はじめ県産食材をふんだんに用いたもので、全国各地の「ご当地コロッケ」が集った中で高い評価を得た。同社では、「大きな自信になった。大船渡の特産品として売り込みを強めたい」と意欲を高めている。
三陸のうま味 来場者魅了
五十集屋は、三陸産ホタテの加工販売を柱に事業を展開。東日本大震災津波により崎浜にあった作業所兼事務所は流出したが、グループ補助金を活用して24年1月に再建。
25年5月には株式会社化も果たし、これを機に新事業展開を図っていこうと、野田社長を中心に「五十集屋コロッケ」を開発。一つあたり1・5個分もの地元産ホタテ貝柱を用いたクリームコロッケで、ホワイトソースの材料も県産牛乳にこだわり、隠し味としてホタテに火を通した際にあふれ出るエキスを加える。
販売開始以来、各地でのイベント出品などを通じて売り込みを図っており、この中で全国コロッケフェスティバルを主催する実行委員会から誘いを受け、初参加を決めた。
同フェスティバルは、ご当地コロッケPRと参加地域の交流促進をと始まったもので、3回目となる今回は北陸新幹線開通でにぎわう高岡市を会場とし、全国28団体が自慢の味を出品。来場者が食べ比べて投票し、グランプリを選んだ。
野田社長はじめ、被災後の再建を応援した名古屋の人々もブースに立って売り込み、五十集屋コロッケは約800票を得て準グランプリに輝いた。実食は約900個で9割近い〝支持率〟を誇った。グランプリはコロッケ倶楽部(札幌市)の「北海道男爵」だった。
野田社長は「小さな町の小さな会社の商品だが、大きな自信をいただいた」と笑顔。現在は自社や道の駅さんりくで販売(4個入り税抜き1380円)するほか、一部市内飲食店のメニューとしても提供されており、「これをきっかけに販路を広げたい。ゆくゆくは専用の生産ラインを整備し、雇用の場確保や地域活性化にも寄与できれば」と意欲的。
そして「北海道、東北に数あるホタテ産地の中でも、大船渡はじめ三陸産の味と品質の良さは群を抜いている」と胸を張り、「復興交流、いわて国体、ラグビーワールドカップとさまざまな発信機会がある。市や観光物産協会などと連携し、自分たちの商品だけでなく、ホタテもおおいにPRしていきたい」と話している。