地域計画を一部修正、住民の安全 避難確保など/住田町防災会議

▲ 町地域防災計画の修正案などを協議した防災会議=住田町役場

 住田町防災会議(会長・多田欣一町長、委員25人)は25日、役場町民ホールで開かれ、町地域防災計画の修正案などを協議した。計画の修正は法律や県の地域防災計画の修正などに合わせ、住民の安全な避難の確保や被災者保護対策の改善などのために見直したもの。出席者からは修正案に対する反対意見はなく、計画内容を確認してそれぞれの立場から災害時の対応などに取り組んでいくとした。
 防災会議は災害対策基本法の規定に基づき、地域防災計画の作成と実施の推進などを担う機関。町や国、県、消防、警察、自主防災組織などの関係者らで構成している。この日は町地域防災計画策定のために実施した平成25年10月以来、2年ぶりの開催となり、委員23人が出席した。
 多田町長は委員代表に委嘱状を交付後、「国でも新たな防災計画を作り、それが町の地域防災計画にも呼応している。計画はあくまでマニュアルに基づいたスタンダードなものだが、実際はそれぞれの地域、集落ごとに事情があって計画通りにだけ進むわけではない。地域防災計画について、意見を受けながら町としてのスタンダードルールを作り上げていきたい」とあいさつした。
 続いて、「東日本大震災に係る課題への対策」と「町地域防災計画の修正」の2点を協議。東日本大震災にかかる課題への対策では、防災対策本部機能の維持確保や情報通信手段の途絶による対応など14の課題ごとに、これまで実施したものや新たに取り組む対策を提示した。
 地域防災計画は、震災の課題などを踏まえた上で25年10月に大幅な修正をして策定(資料編は27年1月に修正)。今回は、25年6月と昨年11月に改正された災害対策基本法、25、26年度に修正がなされた県地域防災計画などとの整合性を図るために修正を行った。
 修正した主なポイントは①住民等の円滑かつ安全な避難の確保②被災者保護対策の改善③平素からの防災への取り組みの強化④災害時における円滑な交通の確保⑤土砂災害への対応──など。これまで〝災害時要援護者〟と記してきた用語を災害対策基本法に準じて「要配慮者」「避難行動要支援者」と改めた点なども示された。
 このうち、①では「計画に避難勧告等の発令基準を位置づけることを明確化するとともに、住民等に対し、その内容を周知する」「避難行動要支援者名簿の作成及び更新等について規定」といった内容の文言を追加するなどした。「避難行動要支援者名簿の作成、更新等」では、平常時から支援者の情報を把握して名簿を作成するとともに、対象者の居住状況や避難支援を必要とする事由を適切に反映するため、定期的に更新する必要性を示している。
 委員からは避難所に対する特設公衆電話設置の提案や、計画内組織図の内容を確認する発言があったものの、修正案に対する反対の声はなかった。
 町では今回の会議をへて、修正後の計画をもとに防災、災害時の対策を進めていくとしている。