議会活性化で意見多数、住民と議員との懇談会終了/住田町

▲ 愛宕公民館で最終日を迎えた住民と議員との懇談会=住田町世田米

 住田町議会による平成27年度「住民と議員との懇談会」は最終日の26日夜、世田米の愛宕公民館で開かれた。議員3人と地域住民らが出席し、町政のさまざまな課題などをめぐって意見を交換した。本年度の懇談会では、議会側が実施した12会場すべてで議会の活性化をテーマに取り上げ、住民らの意見を聴取。参加者らからは、議員報酬や議員活動のあり方などで多数の意見が出された。

 懇談会は、各公民館と議会町政調査会(会長・佐々木信一議員)が共催。町政振興と議会活性化に向け、町民との積極的な対話を通して地域の意見や提言を聞き、町政に反映させようと毎年この時期に開催している。

 今回は9月の議員改選後、初めての開催となり、7日の大股地区公民館を皮切りに12会場で展開。最終日の愛宕公民館には地域住民12人が出席し、議会からは阿部祐一副議長、村上薫議員、佐々木初雄議員が出向いた。

 議員らはそれぞれ、最近の行政の動きや課題などを示しながらあいさつ。公民館側からは特にテーマは設けられず、フリートーキング形式で意見を交換した。

 町政に関するものでは、木工団地内にある三陸木材高次加工協同組合と協同組合さんりくランバーの償還金問題、世田米駅地内への整備が進む住民交流拠点施設、気仙川の河川改修事業などがおもな話題に。償還金問題では、住民たちからは経営体制や町による融資を行った経緯などに関する質問があったほか、「町が住民に説明する際には、これまでの収支や経過を資料として詳しく示すべき」といった声が寄せられた。

 また、「子育てがしやすい環境づくりをお願いしたい」「夜間の不法駐車を何とかしてほしい」などの要望もあった。

 後半は、議会側が提案したテーマ・議会の活性化をめぐって意見を交換。議員らは今回の町議選が初めての無投票になったことや、若い世代から議員のなり手が出てこない現状を示し、議員のなり手が生まれない理由の一つに挙げられる議員報酬(一般議員で月19万6000円)のあり方を尋ねた。

 参加者らは報酬の月額や年俸、他市町村との比較などを確認しながら、「町民の給与体系も視野に入れなければならないのでは」「報酬を上げれば選挙にはなるだろうが、議員の役割を考えると疑問が生じる」「この傾向は住田だけではなく、全国的な問題だ」などと意見。慎重な議論を求める声もあった。

 議員報酬に関して、そのほかの会場では「上げられるなら上げた方がいいのでは」「報酬を上げて定数を減らすしかない」「議員定数を減らして報酬を上げるのには反対」「決して安い報酬ではないと思う」など、賛否両論が相次いだ。

 また、「給与の問題ではない。それより低い賃金で生活している人もいる。議員としての気概、〝こういう町にしたい〟という気持ちを持てないのではないか」「議員は若い人でなければいけないわけではない。歳をとって経済的に余裕がある人にやってもらえば、報酬を上げずに人を増やすこともできる」「本当に議員のなり手を願っているなら、啓蒙活動をして議員の仕事をPRすべき。特殊な仕事のイメージがある」などの指摘、提言もあった。

 議会側では懇談会で住民から聴取した意見を踏まえ、今後の議会活性化について議論を進めていくとしている。