BRT 通学利用の声は、大船渡高生とJR東が意見交換

▲ BRTへの要望などを語る高校生=大船渡高校

 大船渡市猪川町の県立大船渡高校(菊池優校長)で3日夕、通学でJR大船渡線BRTを利用する生徒とJR東日本との意見交換会が開かれた。生徒たちはさらなる速達性向上を求めたほか、早朝混雑時における車内での苦労などを明かし、改善に期待を寄せた。7月に国土交通省で開かれた首長会議の場でJR側がBRTでの本格復旧を提案した際、利便性向上策として浮上した高校付近への〝延伸〟も話題に上った。

 

速達性や〝延伸〟話題に

 

 BRT運行の大船渡、気仙沼両線は、ダイヤ編成には通学で利用している高校生の意見を反映している。意見交換会は、今後の施策展開につなげようとJR東日本が企画。気仙では、7月の高田高校に続く開催となった。

 参加したのは通学で利用する1、2年生計10人。JRからは総合企画本部復興企画部企画グループの津下哲也課長、盛岡支社気仙沼BRT営業所の田村精一総務営業科長ら7人が出向いた。

 全日制普通科生徒568人のうち、BRT利用は125人。利用生徒を対象としたアンケート結果によると、通学時の乗車駅で最も多いのは陸前高田で33人。以下小友が26人、細浦が11人、高田高校前9人などと続く。

 意見交換は、通学利用の全生徒からの回答をもとに進められた。このうち、運行本数・運転間隔については「便利で満足」が30人、「不都合は無い」が67人、「不満がある」は28人。不満の代表的な理由は「登校時、とても混むので本数を増やせないか」だった。

 現在、午前6時30分から8時までの間で、盛駅到着便は6本。生徒からは「混雑している時間を避けるため、早い便を利用している」「定員オーバーで乗せられなかった光景を見たことがある」との声が寄せられた。

 混雑時は、つり革や手すりを利用せずに立ち続ける生徒が多い現状も明らかに。外観が濃い青色の観光型新車両・三陸の海号は運行が帰宅時間に重なるが、一人がけいすが少なく、高校生にとっては利用しにくい実態も浮き彫りとなった。

 現在、通学時間帯における陸前高田盛駅間の所要時間は51分だが、複数の生徒が速達性向上を要望。「陸前高田から親に乗用車で送迎してもらうよりも、時間が2倍かかる」といった指摘に加え、三陸沿岸道路を走る快速便の提案もあった。

 7月に開かれた首長会議の場でJR側は、BRTでの本格復旧ならば地域の復興と合わせて柔軟な運行を図る姿勢を示した。出席した生徒の多くは盛駅から15分程度かけ、徒歩で大船渡高校へと向かう。アンケートでは「大船渡高校前にバス停を」と要望もあった。

 意見交換でJR側が「みなさんもそう思いますか」と尋ねたところ、多くの生徒がうなずいた。一方、生徒の一人は「便利になれば、大船渡市内に住む高校生も多く利用するようになり、さらに混雑するのでは」と、複雑な思いを寄せた。

 大船渡東高校での意見交換会は、17日(木)に予定されている。