歴史継承へ心一つに、千葉周作顕彰少年剣道錬成大会/陸前高田

▲ 日ごろの鍛錬の成果を披露した剣士たち=陸前高田

 平成27年度復興剣豪千葉周作顕彰少年剣道錬成大会は6日、陸前高田市立第一中学校体育館で行われた。東北6県から24チームが集い、小学生剣士が熱戦を展開。千葉周作が開いた北辰一刀流玄武館の小西真円一之六世宗家らによる公開演武もあり、参加者は「生誕の地」の歴史継承に向け心を一つにした。

 

 地元剣道協会や市教委、商工会、市観光物産協会、コミュニティ推進協、市体育協会などの各関係者による剣豪千葉周作顕彰推進委員会(会長・新沼薫市剣道協会長)が主催。地元の陸前高田剣道会と大船渡市剣道スポ少、末崎剣道スポ少を含む岩手県の14チームと宮城県の6チームに加え、「復興大会」としては初めて青森、秋田、山形、福島から各1チームが出場した。

小西真円一之氏による公開演武も=同

小西真円一之氏による公開演武も=同

 開会式には選手約150人が並び、新沼会長は「震災で一時中断したものの、顕彰して偉業を伝えたいという人々の思いが実を結び、毎年規模を拡大している。心に残る大会に」とあいさつした。
 選手を代表し、陸前高田剣道会の村上未祐選手(広田小6年)が「最後まで戦い抜くことを誓います」と宣誓。公開演武では県剣道連盟教士による日本剣道形や、小西氏(玄武館館長)と師範らによる組太刀五行之形や抜刀術が披露された。
 引き続き、錬成会では少年・少女剣士たちが切り返しや打ち込み稽古を展開。各チームの指導者に果敢に飛び込みながら、会場に熱気を呼び込んだ。
 大会は5選手による男女混合の団体戦。3チームずつに分かれたリーグ戦を行い、各上位2チームが決勝トーナメントに進んだ。
 結果、優勝は鎌田剣道スポ少(福島県福島市)。準優勝は鈴川剣友スポ少(山形県山形市)、3位は吉成剣友会(宮城県仙台市)と奥檜館道場(秋田県秋田市)で、県外チームが上位を占めた。気仙勢は予選突破を逃したが、一本を決めた選手たちには温かい拍手が送られた。
 北辰一刀流の開祖・千葉周作は寛政6年(1794)に気仙町で生まれた。江戸三大道場のひとつ「玄武館」を創設し、数千人の門弟を輩出した。