来夏着工へ一歩前進、復興拠点のまち会社/キャッセン大船渡設立

▲ 中心市街地再生に向け、まちづくり会社「キャッセン大船渡」が設立=大船渡プラザホテル

 大船渡市が津波被害からの中心地再生を目指し、大船渡町のJR大船渡駅周辺地区で進める津波復興拠点整備事業(10・4㌶)で、同事業エリアでの商業集積や全体的運営などを担うまちづくり会社「キャッセン大船渡」の設立総会が7日夜、同町の大船渡プラザホテルで開かれた。代表取締役には暫定的に戸田公明市長が就任。来夏の着工を目指す新たなまち形成へ大きく一歩踏み出した。

 かさ上げなどを施したうえで商業業務機能再生の受け皿を整備しようという同事業。8街区を設けており、さいとう製菓㈱、マイヤなどでつくる大船渡再開発㈱、大船渡プラザホテルを運営する㈱サクラダの3社と、被災した個店などでつくる(仮称)おおふなと夢商店街㈱が、それぞれ1街区ずつを借りて独自に施設を整備する。

 キャッセン大船渡は、このほか三つの街区で国の津波立地補助金を導入して施設を整備するほか、この管理運営や全体的なエリアマネジメント推進の母体となる。市と大船渡商工会議所、エリアマネジメントパートナーの大和リース、予定借地人(出店者)でつくる、大船渡駅周辺地区官民連携まちづくり協議会で設立準備を進めていた。

 施設整備と資本金は3000万円で、まちづくり協議会メンバーと金融機関の9団体が出資。社名の「キャッセン」は「いらっしゃい」を意味する気仙の方言だ。

 同日の設立総会には、発起人として12人が出席し、代表取締役に戸田市長を選任。民間の経営経験者に引き継ぐべく人選を進めていくこととした。

 続いて、取締役でキャッセンの実務担当となる、大船渡駅周辺地区官民連携まちづくり協議会の臂徹(ひじ・とおる)タウンマネージャーが事業方針などについて説明。

 テナント賃貸のほか、エリア内の付加価値創造や自主事業に取り組むとし、「安全かつ安心で、にぎわいのある空間を取り戻すとともに、新しい価値文化を創造し、100年にわたり次世代へと引き継いでいくことが使命」と意欲を見せた。

 会社設立は10月中の予定だったが、内部の調整によりずれこんだ。津波立地補助金に必要な「まちなか再生計画」策定の動きとは別に進めてきたものといい、来年1月には国に補助金採択を申請する見通しで、着工時期に影響はないとする。中心部の二つの街区では来夏着工と来冬開業、海に近い残り1街区は29年夏までの開業をめどとして掲げる。

 これら街区には現段階で、被災個店などが集まった㈱エルスール大船渡と(仮称)㈱海来(みらい)など所属の32店がテナント入居を希望。エリア全体としては当初より出店希望が減ったことから、一つの街区は当面施設を設けず、駐車場としての利用を描く。

 戸田市長は「キャッセン大船渡の設立は大きなマイルストーン(節目)。これからが非常に大切で、全力を結集してすばらしいまちづくりに進んでいきたい」と話している。

 役員は次の通り。

 ▽代表取締役=戸田公明(市長)▽取締役=角田陽介(副市長)齊藤俊明(大船渡商工会議所会頭)浮穴浩一(大和リース取締役常務執行役員)齊藤俊満(さいとう製菓代表取締役)今野廣己(サクラダ常務取締役)金野栄一(マイヤ副社長)臂徹(大船渡駅周辺地区官民連携まちづくり協議会タウンマネージャー)▽監査役=伊藤敏(岩手銀行大船渡支店長)