改築も視野に検討、耐震補強必要な生活改善センター/住田町議会一般質問 

▲ 改選後初の定例会が開会し、初日は4議員が一般質問を展開=住田町議会

 第3回住田町議会定例会(12月議会)は8日、開会した。改選後初の定例会には全議員が出席し、会期を11日(金)までの4日間と決めた。初日は4議員が通告に基づき一般質問を展開。瀧本正德、林﨑幸正、佐々木初雄、佐々木信一(いずれも無所属)の各議員が農林業施策や公共施設の整備、教育課題などを巡って町当局の考えを質した。このうち、これまで耐震補強工事を行う計画としていた生活改善センターについて、町は耐震診断の結果などを踏まえ、改築も視野に入れて検討を進めていることを明らかにした。

 

 改選後初の定例会開会

 

 落成から45年が経過し、老朽化が著しい生活改善センターの改修工事を取り上げたのは、林﨑議員。
 多田欣一町長は「25年度に耐震診断を行ったが、議会棟を除くセンター全体で耐震補強工事が必要。工事には1億5000万円ほどが必要で、工事をしても耐用年数は10年ほどとも示された。これらを踏まえ、建設時期や方法などを含めて計画的な取り組みを検討しているが、建築に当たっては新庁舎とのバランス、森林・林業日本一の取り組みを象徴する木造で進めたい」と、改築案も含めて検討を進めていると答えた。
 同議員はまた、木工団地内の三陸木材高次加工協同組合と協同組合さんりくランバーの経営安定化も見据え、木造ビル用新建材として注目される直交集成板(CLT)を住田で製造するよう求めた。
 多田町長は「関東以北のCLTは住田でつくることができないかを話してきた。今ここに来て、住田でやるならば応援、参加するというハウスメーカーが何社か現れている。皆さんも出資して一緒に取り組み、ここで製造したCLT製品をハウスメーカーで使ってもらう体制をつくれないかと話をしている」と、前向きな動きがあることを示した。
 佐々木(信)議員は、県立高等学校新整備計画(後期計画)における質問で、「いままで進めてきた保小中高連携の取り組みで、中高の連携はどのように取り組んでいくか」と尋ねた。
 菊池宏教育長は「住田高校は、いろいろな場面で町の事業に参加している。本年度は高校からも同意を得て、10月に文部科学省の研究開発学校制度へ申請をした。これがいよいよ本格的に取り組まれることとなれば、ますます連携は深まっていくものと考えている」と、保小中高連携教育のさらなる充実を目指す考えを述べた。
 滝本議員は、林業振興として林地残材処理の現状と今後の対応などを質した。多田町長は「林地残材の活用を進めたいと思っており、主は木質バイオマスエネルギーととらえて関係機関と連携しながら活用方策を検討してきたが、本格的な活用には至っていない」と回答。
 既存公共施設への木質バイオマス利用には、「ボイラーなどの導入はぜひ進めたいが、施設の耐用年数や工事費用、ランニングコストなどの採算も考慮しなければ。その採算性と、行政としての政策を勘案しながら検討していかなければならない。今後も関係機関、団体と連携し、環境面、経済面などを考慮しながら、好循環型の木質バイオマスエネルギー利用による林地残材の活用や燃料の供給体制整備を図っていきたい」とした。
 初登壇となった佐々木(初)議員は、自治公民館活動の充実や9月に開所した新すみた荘の利用状況などを質問。
 80床に増えた新すみた荘の利用状況に関し、多田町長は「施設側では当初から開所3カ月ほどをかけて満床になるよう、入所手続きを進めていると聞いている。これは安全安心な介護を提供するため、あらかじめ設定していたもの。これまで順次入所を進め、11月下旬にはすべての入所者が決定し、今月中には実際に入所するようだ」と説明した。
 今定例会には、町当局から27年度一般会計補正予算(第3号)などの議案6件が提出。請願「TPP交渉の情報公開とTPPからの撤退・調印中止を求める」は産業経済常任委(委員長・瀧本議員)へ付託した。2日目の9日は初日に引き続き、4議員による一般質問と各常任委員会を行う。
 日程は次の通り。
 ▽9日=本会議(一般質問)、常任委▽10日=休会▽11日=本会議(議案審議、請願審査報告)