将来あるべき姿探る、総合戦略の意見交換会/住田

▲ 町の人口ビジョン・総合戦略の策定に向けて地区別の意見交換会がスタート=大股地区公民館

 住田町による「総合戦略策定のための町民のみなさんとの意見交換会」は14日夜、大股地区公民館でスタートした。町の人口ビジョンと総合戦略の策定に向け、その過程に多くの町民に参画してもらい、町民と行政が一体となった形につくりあげたいと企画。参加者らは大股地区の人口推計や6月に実施した住民アンケートの結果を踏まえ、将来あるべき大股、住田町のあり方を探った。意見交換会は18日(金)まで、町内5地区で開かれる。

 

大股地区からスタート

 

 町は国が制定した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、長期的な人口ビジョンと今後5カ年間にわたる施策の方向性を明示する町総合戦略を平成27年度中に策定する計画。合わせて、28年度から4カ年の町総合計画も策定し、これらを一つにして今後のまちづくりを進めていくとしている。

 これらの策定には行政主体ではなく、町民と一体になって進めていくことが重要として、これまで有識者、住民代表らによる総合戦略推進委員会やワークショップの開催、15歳(高校生)以上50歳未満の町民を対象とした住民アンケートなどを展開。今回の意見交換会もその一環として計画した。

 初日の大股地区会場には、地域住民ら15人が参加。町からは多田欣一町長、横澤孝副町長、吉田光也企画財政課長、千葉純也林政課長ら7人が出席した。

 多田町長は「地域の住民が地域の将来をどのように描くかということでの意見交換会。大股地区の可能性や住民と行政、地域の将来デザインをみんなで積み上げながら総合戦略をつくっていきたい」とあいさつ。担当職員による町や大股地区の現状説明に続き、意見交換を行った。

 現状説明では、町と大股地区の人口推計を提示。国立社会保障・人口問題研究所によると、町の人口は平成52年には3210人となり、同22年からは約5割が減少する見込み。町の推計によると、大股地区では同年の359人に対し、30年後の52年には174人と51・5%の減を予測している。

 住民アンケート(回答率69・5%)の結果では、生活や公共施設などに関して6070%が不満を持ち、約40%の住民が「住みたくない」と答えていると提示。特に、若い世代で仕事がない、買い物が不便などの理由で「住みたくない」と回答しており、女性の割合が多いことなどを示した。

 その上で「住みたい町になるための条件」には、「買い物などの基礎的な生活基盤の整備、この町にいながらできる仕事などの確保」「結婚や出産に望ましくない環境の解決を図る」などが考えられるとして、意見交換を展開。①雇用・仕事②結婚、子育て、移住③地域活動(地区活動、買い物、医療、交通など)──をテーマに、参加者らから困っていること、要望を聞いた。

 この中では、「コミュニティバスの路線拡大を」「地域活動に参加する人の頭数が少ない」「若い人が働く場所の確保を」「町内の小学校や中学校が交流する場があれば」など、幅広い声が寄せられた。さらに、「アンケートが一つの結果。住みたい町にするにはどうしたらいいかをみんなで考えた方がいいのでは。手を打てるところから打たなければ」と、早急な対策を求める意見もあった。

 意見交換会は15日夜、五葉地区公民館で開かれた。16日以降の日程は次の通り。時間はいずれも午後7時から。

 ▽16日=下有住地区公民館▽17日=上有住地区公民館▽18日=役場町民ホール(世田米地区)