防集買取地貸付料低減へ、全議案可決で閉会/大船渡市議会

▲ 市当局提出の20議案を可決するなどして12月定例会が閉会=大船渡市議会

安保関連法廃止請願を採択

 

 大船渡市議会12月定例会は15日、最終本会議が開かれ、追加提出含む議案20件を原案通り可決して閉会した。条例の一部改正では、被災跡地利活用促進の観点から防災集団移転促進事業(防集)での買い取り地の貸付料低減を図っていくことが決まった。このほか、安全保障関連法の廃止を求める請願を採択し、内閣に意見書を提出することとした。

 可決議案の内訳は、条例の一部改正5件、補正予算9件、工事請負変更契約締結2件、工事委託協定締結1件、指定管理者指定1件、防集に伴う市道路線の廃止と認定各1件。本年度予算補正は前年度の繰越金確定などに伴うもので、歳入、歳出それぞれ37億7560万円の増額。総額は767億6770万円となった。

 防集で取得した土地の貸付料低減は、「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の一部を改正する条例」として提出されたもの。地区ごとの跡地利活用などの対象とならない買い取り地が対象。市有地の貸付料は従来、不動産鑑定評価などによる適正な時価の5%となっているが、「通常の半額程度で詰めている」といい、低減の期間は10年とする方針。

 これら規則を定めたのち、貸付希望者を公募していく考え。田中聖一土地利用課長は「市広報のほか、ホームページの地理情報に掲載して金額や面積などが目に見える形で周知し、利活用を促進していきたい」としている。

 追加提出議案では、市公共下水道大船渡浄化センターの汚泥処理設備更新工事を随意契約で日本下水道事業団に委託することを決定。契約金額は3億3080万円で工期は29年3月31日まで。中赤崎地区防災集団移転団地整備工事(その3=大洞地内)は、のり面崩落防止の植生基材吹き付けと、工事車両通行の安全確保に向けた市道拡幅のため、契約金額を1132万円増の1億7818万円と改めた。

 総務常任委員会(熊谷昭浩委員長)に審査付託されていた平和憲法9条を守る大船渡の会(佐藤良一代表委員)など提出の「安全保障関連法の廃止を求める請願」は、委員長報告では賛成多数で採択としたが、森操議員(無会派、公明党)と平山仁議員(改革大船渡)が集団的自衛権の限定容認のとらえ方などをめぐって反対討論を展開。起立採決の結果、賛成14、反対5で採択となり、議員発議で総理大臣などにあてた意見書を提出することを決めた。

 教育福祉常任委員会(三浦隆委員長)に付託されていた県保険医協会(南部淑文会長)提出の「岩手県の医療費助成制度について現物給付の導入を求める請願」は委員長報告通りに採択し、県に対して意見書を提出することとした。現行制度下では現物給付を導入した場合、国保にかかる国庫負担金が削減されることとなっており、合わせてこの撤廃を求める意見書も国に対して出すこととした。