ドラマ通じて大船渡発信 市内での収録作業進む、NHK来年2月放映「恋の三陸 列車コンで行こう!」

▲ 大船渡市を舞台としたNHKのドラマ「恋の三陸 列車コンで行こう!」収録の様子。16日は恋し浜駅周辺が舞台となった=三陸町綾里

 大船渡市を舞台としたNHKのドラマ「恋の三陸 列車コンで行こう!」(来年2月から全3回放映)の収録が、市内各地で行われている。16日には主演の松下奈緒さんや陸前高田市出身の村上弘明さんら主要キャストが参加し、三陸町綾里の三陸鉄道・恋し浜駅近くなどでカメラを回した。被災から立ち上がって地域の活性化を目指す人々、その恋模様などを明るいタッチで描いた作品になるといい、エキストラ出演や見学の市民たちは、ドラマを通じた大船渡の活力発信に期待を寄せている。

 

 NHKでは東日本大震災後、被災地応援の意も込めて東北を舞台としたテレビドラマを制作、放映しており、今回もこの一環。

 震災から5年目の「西大船渡市」を舞台としたグルメあり、恋愛ありの物語。松下さんは市役所職員で、男女の出会いの場を提供する「列車コン」の担当という設定。村上さんのほか、松坂慶子さん、安藤政信さん、お笑いコンビ・南海キャンディーズの山崎静代さんら豪華キャストが脇を固める。

 同日は、恋し浜駅近くにこの夏設けられた「恋し浜ホタテデッキ」で、列車コンの場面を撮影。主要キャストのほか地元エキストラ約20人も加わり、時折冷たい潮風が吹き付ける中、和やかな雰囲気で収録が進んだ。地域の人たちも足を運び、その様子を興味深く見学していた。

 県の「いわて復興応援隊」として同市のNPO法人「夢ネット大船渡」に派遣され、三陸鉄道での「恋列車」企画にも携わってきた佐藤秀則さん(56)=盛岡市出身=はエキストラとして参加。「自分たちがやってきた恋列車もベースになっているかと思うと、うれしい。ドラマを通じて、豊かな自然など大船渡のよさが全国に伝われば」と笑顔を見せていた。

 ドラマは、来年2月27日から3週にわたり、毎週土曜日午後10時からNHK総合で放映される。近所に住む松川初子さん(60)は「地元が舞台となって光栄。活性化や復興の大きな力になってくれると思う」と期待を寄せていた。

 市内での撮影は今月下旬までを予定しており、今後は多数の市民エキストラが参加する祭りのシーンなどの収録も予定。NHK制作局の山本敏彦チーフ・プロデューサーは、「魅力ある人々や街に出会えたことは、われわれにとって大きな財産。大船渡の人、場所、味を集約し、ご覧になった方々の心を満たすような作品にしたい」と意欲的だ。