来春稼働へ登録呼びかけ、医療や介護など情報共有/未来かな えネット

▲ 「未来かなえネット」の登録受け付けがスタート=大船渡病院

 気仙地区内の医療機関などでつくる一般社団法人・未来かなえ機構(代表理事・滝田有気仙医師会長)は、地域医療・介護連携ICTシステム「未来かなえネット」を来年4月から運用する。ネット参加機関が登録者の医療や介護などにかかる情報を共有することで的確なサービスを提供し、住民の安全・安心確保へつなげようとの狙い。22日からは医療機関での登録呼びかけが始まった。
 同機構は、23年12月に国から選定された気仙広域環境未来都市構想に基づき、医療・介護・福祉の連携モデル構築を目指してきた2市1町の医療や介護、行政関係者らで今年4月に設立。
 未来かなえネットの構築は取り組みの大きな柱で、通算4年余りの検討を経て情報通信サービス大手の日本ユニシス㈱(本社・東京)に委託してきたもの。
 登録者がいつ、どこで診療を受けたか、どのような薬を処方されたかなどの情報を一元的に集約・管理し、ネットワーク参加機関間で相互に参照できるようにする。医療介護分野の人的資源が限られる中、サービス提供の効率化にもつながると期待される。
 来年4月に運用開始する方向が固まり、機構では今月に入って各地域の公民館などで住民への登録呼びかけを始め、22日には大船渡市の県立大船渡病院と滝田医院でも受け付けを始めた。
 このうち、大船渡病院では1階待合ホールにコーナーを開設。機構事務局員らが来院者に同ネットの概要について説明したうえで登録を呼びかけ、さっそく申込書に記入する人の姿も複数見られた。24日午前中もコーナーを開くという。
 運用開始当初は県立病院や民間病院、介護施設、調剤薬局、歯科医院など約30機関が参加予定で、各機関でも順次登録受け付けを始めていくという。
 登録者数は当面、気仙の人口のおよそ1割にあたる6000人を目標としている。未来かなえ機構理事も務める伊藤達朗大船渡病院長は、「気仙全体で患者だけでなく住民一人ひとりを見守り、安全・安心につなげようとのシステム。多くの人に利用いただきたい。限られた資源を有効活用するために有用なツールでもあり、情報共有を通じた的確な治療につなげていきたい」と話している。
 未来かなえネットに関する問い合わせは、同機構(住田町保健福祉センター内、℡22・7261、平日午前9時~午後4時)へ。