商業の再生 けん引へ、胎動する津波復興拠点/大船渡

 エリアマネジメントで一体感
 まちづくり会社・キャッセン大船渡主体に

 

 震災前の中心市街地だった大船渡駅周辺地区。その再生に向け、市は土地区画整理と津波復興拠点整備の両事業を組み合わせた復興まちづくりを展開。住民や企業が中心となって土地利用や景観形成、商業空間の維持管理などに取り組むという、エリアマネジメントの考えを導入している。

昨年12月のキャッセン大船渡設立総会

昨年12月のキャッセン大船渡設立総会

 その推進母体となるのが、昨年12月に設立されたまちづくり会社「キャッセン大船渡」だ。まずは、津波復興拠点内で被災商業者らがテナント入居する施設の早期整備を命題として動き出した。
 同拠点ではこのほか、地元企業と個店などでつくるグループが独自の施設整備を進める。それぞれに背景の違う出店者間に「大船渡の顔」としての一体感を醸成し、商業復興だけでなく将来も視野に入れたにぎわいづくりをけん引していく。
 まちづくり会社の果たす役割は大きい。取締役として実務のかじを取る臂徹(ひじ・とおる)タウンマネージャーは、「安全かつ安心で、にぎわいのある空間を取り戻すとともに、新しい価値文化を創造し、100年にわたり次世代へと引き継いでいくことが使命」と意欲を語る。

 

■各街区の概況(27年12月時点)

①さいとう製菓がファクトリーショップ開設を計画。
②キャッセン大船渡が施設整備を計画。今夏の着工、冬の開業を目指す。
③サクラダが大船渡プラザホテルを建設中。今年3月オープン予定。
④おおふなと夢商店街グループが独自施設整備を計画。
⑤キャッセン大船渡が施設整備を計画。今夏の着工、冬の開業を目指す。
⑥マイヤなど大船渡再開発が複合型商業施設を建設中。今年4月から順次開店する予定。
⑦キャッセン大船渡が施設整備を計画。29年夏までの開業を目指す。
⑧当面は駐車場として利用。借地人の公募も検討している。