熊谷光選手(高田高出身)が力走/夢の舞台 箱根駅伝出場
平成28年1月6日付 6面

東京国際大メンバーで
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が2、3の両日に行われ、オープン参加の関東学生連合を合わせた計21チームが東京─箱根間の往路107・5㌔、復路109・6㌔で熱戦を繰り広げた。このなかで、東京国際大学駅伝部のメンバーとして、県立高田高校出身の熊谷光選手(人間社会学部3年)が復路の6区(20・8㌔)で力走。同区では9位となるタイムで夢の舞台である新春の箱根路を駆け抜けた。
熊谷選手は、大船渡市立越喜来小・中、高田高を経て同大学に進んだ。高校1年から本格的に陸上競技を始め、長距離選手として3年時の県高総体3000㍍障害で2位に入るなどの活躍を残した。同大進学後は1万㍍や駅伝など、走る距離も増えたが「苦手意識はあったが、練習したおかげで走れるようになった」と語る。
駅伝部では2年生時からAチームに所属。70人以上いる部員のなかで上位10人に入っており、昨年10月に開かれた箱根駅伝予選会にも出場した。予選会は東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地をスタート、国営昭和記念公園をゴールとする20㌔のコースで行われ、10チームが予選を突破。このうち、同大は9位に入り、創部5年目で初の本大会出場権を獲得した。
東日本大震災発生当時、熊谷選手は高校1年生だった。高田高校校舎は被災し、その後2年間は立根町にある大船渡東高校萱中校舎で生活。震災により、一度は陸上を辞めることも考えたが、家族の後押しもあって競技を続けてきた。箱根駅伝本番には父・忠雄さんと母・道子さん、姉の美咲さん、弟の真澄君も応援に駆けつけた。「家族が応援してくれたおかげで、箱根で走るという夢がかなった。親孝行ができました」と熊谷選手は家族への感謝を口にする。
熊谷選手は復路の6区で箱根─小田原間を走り、1時間43秒の記録で7区走者へとタスキをつないだ。同大は総合17位だったものの、「夢の舞台だったので楽しみにしていた。知らない方々も名前や大学名を呼んで応援してくれて、それも励みになって楽しく走ることができた」と爽やかな笑顔をみせた。
現在高田高校2年生の真澄君も、長距離選手として陸上部に所属。高総体などでも好成績を残している。「箱根で走っている姿を間近で見て感動した。同じように箱根を走りたい」と夢を馳せた。