数値目標の妥当性協議、人口ビジョンと総合戦略/住田町

▲ 人口ビジョン、総合戦略の各案に関し、数値目標などの妥当性を協議した推進委=住田町役場

次回推進委で最終案提出

 

 住田町総合計画・人口ビジョン・総合戦略推進委員会(委員長・大杉覚首都大学東京大学院教授)の第6回会合は8日夜、町役場で開かれた。町の人口ビジョンや総合戦略の各案に関し、この日は改めて設定した数値目標などの妥当性を協議。それぞれの案は、推進委の意見や今月中に行うパブリックコメントの結果を受けて内容を調整後、来月開催の次回会合で最終案を確認し、町長へ提出する。

 町は国のまち・ひと・しごと創生法に基づき、平成27年度に人口ビジョンと総合戦略を策定する計画。合わせて28年度から4年間の町総合計画も策定し、今後のまちづくりを進めていく。

 推進委はこれらの策定に際し、住民の意見を反映させるための機関。昨年11月以来の会合には委員8人と横澤孝副町長、担当課の職員らが出席し、人口ビジョン、総合戦略の各案を協議した。

 町は、推進委や15歳(高校生)以上50歳未満の町民に対して行ったアンケート調査、先月町内5地区で開催した町民との意見交換会などで示された住民の声に基づき、人口ビジョン・総合戦略体系図や、各案などを改めて作成。

 人口ビジョンは、今後出生率が上昇し、社会増減がゼロとなる設定で推計した上で、「平成52(2040)年に約4000人の人口を目指す」と設定。将来像は「里山で暮らし続けるため、人口が減少しても、決して消滅しない、基礎的な生活機能が保証され、住民から住みやすい・住み続けたいと思われる『住みたい町:住田』」とする。

 総合戦略の必須到達目標には、①子どもの数は小学校2校を維持し、1学年20人、2校で40人を確保②生活圏内で必要な買い物等の生活・交通・医療の利便性が図れる環境の整備③町内にいながらできる仕事があり、その仕事で生活できる収入・賃金の確保──を掲げる。②は、住民からの意見を反映し、交通や医療の文言を追加した。

 会議では、必須到達目標をもとにした具体的な数値目標と重要業績評価指標(KPI)、その根拠を町が提示。数値などの妥当性を委員らが話し合った。

 数値目標は、①が1学年当たりの児童数、②が買い物、交通、医療の満足度、③が町民所得。KPIは、①が婚姻数、出生数、移住者数など、②が商店数、移動販売・買い物代行(配達)商店数、生活・交通・医療の満足度向上など、③が経済センサスにおける製造業や農林業等の売上高、交流人口など──の各項目で、平成31年に目指す数値を示している。

 委員からは数値に対する意見はあまりなく、観光施設の充実、移住者増に向けた情報発信や空き家活用のあり方などで提言。ほかにも「男女の出会いの場として、まずは遊べる機会をつくっては」「店舗数だけではなく生活に必要な業種の確保も必要」「欠けていると思うのは、近隣自治体との連携。気仙として他地域に人が流出しないための視点があってもいい」などと述べた。

 推進委側から案への反対はなかったことから、町は今回示した案をベースに、この日出された意見や今月中旬に予定するパブリックコメントの結果を反映させて最終案を作成。2月10日(水)開催予定の第7回推進委でその内容を確認した上で、会合終了後に町長へ案を提出する。