安全守り地域活性化を、陸前高田と住田で消防出初め式

防災充実への心意気 

 

 陸前高田市で11日、住田町で10日に年頭を飾る消防出初め式が開かれた。すがすがしい青空に恵まれた中、消防団員らは規律あふれる姿を示し、今年一年の無火災や防災への誓いを発信した。大船渡市の出初め式は17日(日)に、盛町内で予定している。

 

頑張りたたえ団長特別表彰/陸前高田

 

 陸前高田市の消防出初め式は、高田町内で開かれた。今年は「日ごろ頑張っている団員をたたえたい」と、渡邊克己消防団長による特別表彰も。分列行進などに参加した消防団員は、今年一年の無災害と地域活性化への決意を新たにした。

精力的な消防団活動をたたえ、8人を表彰=高田町

精力的な消防団活動をたたえ、8人を表彰=高田町

 団員336人をはじめ、消防職員、来賓ら合わせて約450人が参加。消防防災センターに団員や各部の車両が一堂にそろい、渡邊団長を先頭とした分列行進が組まれた。
 厳しい冷え込みにもかかわらず、第一中学校まで進む姿をひと目見ようと、沿道には多くの地域住民が参集。子どもたちがりりしい団員の姿や消防車両に憧れのまなざしを向けながら手を振るなど、ほほえましい光景も見られた。
 同校体育館に集合した団員を前に、渡邊団長は高田分団をはじめすべての被災屯所再建になお時間がかかる実情にふれながら「もうしばらくの間、消防への思いを絶やすことなく活動を」とあいさつ。所属年数や階級に関係なく、消防活動に日々献身的に臨む団員らの表彰を行うと明かし「皆さんの頑張りに応え、活動しやすい環境をつくりたい」と述べた。
 式典中の統監訓示で戸羽太市長は「笑顔で安心して暮らせるまちづくりのためにもご精進願いたい」とあいさつ。閉会式では、無火災を続ける小友(3期間)、広田(2期間)、竹駒(1期間)、横田(同)の各分団表彰も行われた。
 団長特別表彰の対象は全8分団から各1人。渡邊団長から表彰状とともに、陸前高田地域振興提供の副賞が手渡された。
 被表彰者次の通り。
 紀室修二(高田3部班長)及川優斗(気仙2部団員)佐々木節(広田1部団員)佐藤勝(小友1部団員)細谷栄伸(米崎1部班長)鈴木克彦(矢作2部団員)小田晃(竹駒1部団員)松田史郎(横田2部団員)

 

原点に返り誓いも新た/住田

 

 住田町の消防出初式は、世田米地内で開かれた。消防関係者らは分列行進と式典を通じて消防の原点に立ち返り、無火災と防災への意識を高め、安全で安心な町を目指していこうと誓いを新たにした。
 式には、町消防団220人、婦人消防協力隊125人、大船渡地区消防組合住田分署14人が参加。天照御祖神社で消防団主催による無火災祈願を執り行ったあと、商店街で分列行進を繰り広げた。

威風堂々とした分列行進で観閲を受ける消防団=世田米商店街

威風堂々とした分列行進で観閲を受ける消防団=世田米商店街

 高らかに音を響かせるラッパ隊を先頭に、消防団と協力隊が消防車両20台とともに行進。岩手銀行世田米支店前で行われた観閲では、統監の多田欣一町長に規律正しい姿を見せた。沿道では世代を超えた地域住民らが見守り、りりしく歩みを進める団員らに子どもが手を振る光景も見られた。
 式典は農林会館で行われ、多田町長は「昨年以上に、無火災に向けて互いに精進してほしい。今年一年間もこの団結力、規律と厳正なる姿勢で住田町の安全安心に尽力してもらいたい」とあいさつ。
 同組合消防本部の中井栄一郎消防長は「災害発生の予知は難しいが、迅速な対応が大切。今後も住民の安全安心に寄与し、負託に応えてほしい」と諭告。消防団の泉田義昭団長は「消防の原点である、我が郷土は自分たちで守るという義勇と愛郷の精神により、これまで以上に訓練を重ね、町民の安心の確保に努めていきたい」と訓示した。
 表彰では、1年間以上の無火災を達成した第1、第3、第4、第6の各分団、五葉地区協力隊に賞状や竿頭綬を授与。菊池孝町議会議長ら来賓が祝辞を贈ったあと、出席者全員で「火の用心」を三唱し、この一年の無火災と防災へ願いを込めた。