大学生向け28年度用英語教科書に「おおふなトン」が登場、盛町出身の千葉剛氏が編集

▲ 『ジャパン インサイト』に登場したおおふなトン

 大船渡市盛町出身で、台湾の崇右(そうゆう)技術学院名誉教授の千葉剛氏(69)=東京都在住=が編集した大学生向けの平成28年度用英語教科書に、女子レスリング世界王者・吉田沙保里選手らとともに、同市のPRキャラクター「おおふなトン」が取り上げられている。新学期から全国約100大学で採用される見込み。教科書へのおおふなトンの登場で、復興への歩みを進める被災地への関心が高まるものと期待される。

 

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千葉名誉教授㊧と女子レスリングの吉田沙保里選手(千葉名誉教授提供)

 首都圏さんりく大船渡人会の会長や希望郷いわて文化大使も務める千葉名誉教授は、法政大学講師、東京農業大学教授時代から大学生向けの英語教科書を編集・出版。これまで皇室はじめ、長嶋茂雄、王貞治、イチロー、中村勘三郎、美空ひばり、渡辺謙などの著名人や文化、環境、経済問題などを英語学習の教材として取り上げてきた。

 今回が27冊目となる英語教科書のタイトルは『ジャパン インサイト』。

 編集スタッフは、編集責任者の千葉名誉教授はじめ、ジョアン・ペロケティ杏林大学名誉教授、鄭耀星崇右技術学院准教授、本間章郎法政大学講師、木下ひろみ東洋大学講師、福岡賢昌法政大学准教授。

 おおふなトンは、全15章からなる教科書の第6章に登場。

 さまざまな都市や地域に観光客を引きつけているご当地キャラの一例として取り上げられており、英語で「2013年、大船渡市はゆるキャラとして知られる実物大のマスコットを採用した。おおふなトンは大船渡市のイメージアップのために大きく貢献するだろう」などと記述。

 その注釈で三陸鉄道南リアス線のポケモントレイン、大船渡市魚市場、住田町の役場新庁舎なども紹介している。

 同書ではこのほか、女子レスリング世界王者で、国民栄誉賞を受賞した吉田選手、日本サッカー界をけん引してきたキングカズこと三浦知良選手、国際的評価の高い芸術家の奈良美智さん、日本の最先端科学技術を体現している初音ミクなども取り上げている。

 おおふなトンを教科書に登場させたことについて、千葉名誉教授は「明るいキャラクターで、印象深さは日本一。おおふなトンを知ることにより、学生たちが津波の被災から立ち上がろうとしている東北の人々に目を向け、防災意識を高めるきっかけになれば」と話している。

 『ジャパン インサイト』は、南雲堂(新宿区)から出版。B5判、100㌻で定価は1900円+税。