「幼年消防大会」復活へ、まといや拍子木も新調/陸前高田(別写真あり)

▲ まとい贈呈式に出席した高田保育所の子どもたちが、はんてん姿で記念撮影=高田町
▲ 平成22年以来初めて開催された幼少年婦人防火委の会合であいさつする佐々木消防長=同

 陸前高田市幼少年婦人防火委員会(委員長・佐々木誠市消防本部消防長)は18日、同市高田町の市コミュニティホールで震災後初めての委員会を開催した。同委員会は平成22年まで行われていた「幼年消防大会」を今秋、6年ぶりに〝復活〟させる方向で話し合った。

 同委員会は同市の保育所・保育園あわせて9施設の幼年消防クラブと、各町の婦人防火クラブなどで構成される。各施設の園児たちは震災前、毎年秋に高田町で開催されていた幼年消防大会へ参加。大会では子どもたちがはんてん姿で拍子木を打ち鳴らし、「火の用心」と言いながらパレードしたり、市民会館で防火に関するアニメを鑑賞、アトラクションを披露するなどしていた。

 この日は22年以来ほぼ6年ぶりに会合が持たれ、同委員会の事務局を置く市消防本部、婦人防火クラブと、保育施設の所長・園長らおよそ20人が出席。佐々木消防長は「震災からまもなく5年を迎えるにあたり、〝通常〟の行事を少しずつ復活させたい。以前よりさらによい活動とするためご協力を」とあいさつした。久しぶりに設けられた委員会とあり、議事ではまず会則や活動内容の確認を行った。

 続いて消防本部が、28年度秋に同大会を「幼年消防フェスタ」として実施することを提案。〝式典型〟ではなく〝体験型〟の催しとして、消火やレスキュー体験、緊急車両乗車コーナー、バケツリレーなどを園児と行うという大筋の流れが出席者にも了承された。正式内容は新年度に改めて招集される新委員らで決定する。

 また会議に先立っては、幼年消防クラブへのまとい贈呈式も実施。高田保育所の子どもたちが代表して出席し、銀色に輝く新しいまといなどを受け取った。さらに、スペシャルゲストである「たかたのゆめちゃん」も手作りまといを持参し、同委員会へ贈呈する〝サプライズ〟を見せた。

 東日本大震災の津波では高田保育所、広田保育園、竹駒保育園の3カ所が被災し、所有していた「消防グッズ」も流失した。これを受け同委は今回、9施設すべてにまといを新調。新しい拍子木54組とはんてん57着も、被災施設を中心に分配、贈呈された。

 同本部の戸羽進予防係長は、「幼年消防大会には、小さいうちから防火意識を高めると同時に、消防団活動に触れることで将来団員として活動してもらえればという狙いがある。皆さんと話し合って内容を決め、園児の興味関心を引きつけるものにしたい」と話していた。