漁業者と消費者の縁結ぶ、小石浜で交県と三鉄主催の交流イベント/大船渡(別写真あり)

▲ 料理を通して参加者とふれ合う小野さん㊧=三陸町綾里

 県沿岸広域振興局と三陸鉄道㈱は24日、大船渡市三陸町綾里の小石浜地区で交流イベント「いわて三陸りょうりin三陸」を開いた。漁業者と料理人、消費者らの縁を結ぶ企画で、参加者らが養殖施設の見学や料理を通して綾里地域の魅力にふれた。

 同振興局の三陸ブランド創造隊(伊東かおる隊長)が、三陸地域のブランド力向上と地域活性化を目的に企画。

 生産者と消費者の顔が互いに見える場をつくり、今後の人的交流の拡大につなげようと、地元の綾里漁協と小石浜青年部も協力した。

 イベントには県内外からの参加者と地元漁業者、同隊の隊員ら約90人が集まった。料理の講師には、東京都渋谷区恵比寿で店を構える「賛否両論」の笠原将弘シェフ、「鮨屋小野」の小野淳平さん、「ARMONICO」の佐々木泰広シェフの3人を招いた。

 参加者らははじめに、船に乗って綾里湾内のワカメやホヤの養殖施設を見学。

 三陸鉄道で恋し浜駅に移動後は、3グループに分かれ、小石浜漁港の荷さばき場、小石浜地区公民館、駅向かいの恋し浜ホタテデッキで、地元食材を使った料理イベントに参加した。

 このうち小野さんの料理は、恋し浜ブランドのホタテやアイナメを使ったすし。小野さんは参加者と和やかに話を交わしながら、新鮮な食材を美しいネタに仕上げるためのコツなどを説明して関心を集めた。

 それぞれの料理の完成後は、同公民館で会食。テーブルにはすしのほか、笠原シェフによる冬野菜とまたら汁や、佐々木シェフによる恋し浜ムール貝と春菊を使ったパスタなどが並んだ。

 また、綾里漁協女性部が用意したワカメ料理や、小石浜青年部の焼きホタテなども提供され、参加者らがおいしく味わった。

 イタリアンを専門とする佐々木シェフは「大船渡には初めて訪れましたが、早採りワカメの調理方法などについて地元の人の話を聞けた。新しい発見があり来てよかった」と語った。

 神奈川県川崎市の長峯明子さん(65)は「漁業者や地域の方たちとの会話が楽しく、とてもいい経験ができた。帰ったら綾里での出来事を家族に話したり、SNSで発信したりしたいです」と満足の表情。

 綾里漁協女性部の迎澤チトミ部長は「こういったイベントを通し、綾里にはおいしい旬のものがいっぱいあるということが全国に伝わっていけば」と期待していた。