気仙の総生産額大幅増、県が市町村民経済計算公表/25年度

160127-1面・純生産 県は平成25年度市町村民経済計算の概要をまとめた。気仙3市町の総生産額は2916億6000万円と、前年度比20・7%増となった。東日本大震災からの復旧・復興需要、事業再開などにより、建設業などの総生産が増加したことが大幅な伸びの要因とみられる。1人当たり所得も3市町いずれも前年度を上回った。

 

復興需要など背景に

 

 市町村民経済計算は市町村の経済規模や産業構造、所得水準などを明らかにするもの。これまで県が各市町村の行った推計結果をとりまとめて公表してきたが、25年度から県主体での推計に切り替えた。

 それによると、25年度の経済活動の水準を表す指標を示す県全体の総生産は、前年度比3・4%増の4兆5162億円。

 広域振興圏別では、県北を除いた3圏域で前年度を上回った。気仙を含む沿岸は建設業などの増加により圏域別で最大の伸び幅となる17・5%増。県央、県南はともに1・3%増で、県北では建設業などの減少により4・0%減となった。

 産業別にみると、沿岸は第1、第2、第3次産業いずれも前年度を上回った。

 一方、県南は第1、第3次産業で、県北は第2、第3次産業で下回った。

 気仙3市町の総生産額をみると、大船渡市は気仙全体の65・1%を占める1897億9000万円、陸前高田市は809億2400万円、住田町は209億5000万円。東日本大震災からの復旧・復興需要の増大や事業再開が進んだことなどから、大船渡市は前年度比14・3%増、陸前高田市は同44・5%増、住田町は同7・3%増と伸びた。

 一方、市町村民所得の分配は、県全体で3兆4930億円(同4・8%増)。すべての圏域で前年度を上回り、増加率では沿岸の13・3%がほか3県域より10ポイントほど引き離して最高となった。

 1人当たり市町村民所得は、市町村平均で269万8000円(同5・5%増)。圏域別では県央が3・8%増、県南が4・3%増、沿岸が14・8%増、県北が4・1%増となった。

 市町村平均を100とした各圏域の水準は、県央が108・5と全圏域で最も高い水準を維持したが、前年度比では1・8ポイント低下。以下、県南は1・1ポイント低下して96・1、沿岸は7・6ポイント上昇して93・6、県北は1・3ポイント低下して92・7。県央と沿岸の所得格差は前年度に比べて縮小した。

 市町村別では、普代村を除く32市町村で1人当たり所得が増加。トップの金ケ崎町は前年度比6・7%増の355万4000円。2位の盛岡市は同4・2%増の317万8000円だった。

 気仙は大船渡市が277万1000円(同13・9%増)、陸前高田市が237万3000円(同26・2%増)、住田町が232万1000円(同5・0%増)となった。