漁業のイロハ学ぶ、気仙の新規就業者対象に初の研修会/大船渡で

▲ 漁業の実態や漁業権などについて理解を深めた新規就業者ら=大船渡町

 気仙地区の新規漁業就業者を対象とした「能力向上支援研修会」は28日、大船渡市大船渡町のオーシャンビューホテル丸森で開かれた。現場で習得する技能以外に必要な知識を深め、視野を広げてもらおうと、県沿岸広域振興局大船渡水産振興センターが初めて開催。参加者が本県漁業の特徴や実績、漁法、税制、助成制度などの講話を受けた。

 研修会は、県大船渡保健所、県漁業士会大船渡支部が協力。国が実施している「漁業復興担い手確保支援事業」により就業を目指す若者や、同事業活用後、現場に出ている若手漁業者ら約40人が参加した。

 はじめに大船渡水産振興センターの稲荷森輝明所長が「地域の漁業を担う経営者として独り立ちしてもらいたい。初の試みとなるが、広い視野を養う一助となれば」とあいさつ。

 このあと、同センターや保健所職員計6人が講師を務め、▽岩手の漁業▽漁業と漁業権▽漁船登録、漁業許可▽資金制度、税制▽食品衛生▽副業──などについて解説した。

 このうち、太田克彦総括主査は「漁師を目指す貴方に知ってもらいたい事」と題して定置網漁、養殖、アワビやウニ漁といった採介藻漁業の漁業権の違いや権利を行使できる設定海域、免許期間、取得手順の概略を説明。「漁協の正組合員となり漁業権行使規則上の資格を満たせば、養殖、刺し網などの漁業を経営できる」と述べた。

 このほかの講話も通じて参加者は、水産資源維持などの観点からさまざまなルールと秩序の上で成り立っている漁業の仕組みを確認。魚介類の衛生管理や農林漁家の民泊の収入例、遊漁船業を始めるまでの手順も学び、漁業に関する知見を広げた。