高台の引渡時期見直し、最長で30年度前半/高田地区の区画整理事業

 陸前高田市は、高田地区被災市街地復興土地区画整理事業の高台造成に関する整備スケジュールの一部を見直した。本丸公園北側の高台③は東エリアの整備時期が28年度秋にずれた一方、西エリアが29年度に早まったことから、住宅着工可能時期の差が縮まった。当初計画よりも高台⑥(高寿園北東側)は遅れ、逆に高台④(鳴石団地北側)と高台⑦(高田高校北側)は早まる見込みとなった。

 同事業では被災者の住宅再建をはじめとした復興に向け、津波浸水を回避する高台、かさ上げ造成事業を展開している。高田地区の対象面積は高台45㌶、かさ上げ91・1㌶、平地50㌶の計186・1㌶。今泉地区の112・4㌶を合わせると約300㌶に達し、被災自治体の中でも大規模事業として注目を浴びる。

 各地で造成が進み、その中でも先行していた高台②(高田一中北側)は、先月からすべての区画で住宅建築が可能に。かさ上げ地では今年夏から大型商業施設の建築整備が予定されている。

 事業進ちょくに基づき、市は先月整備スケジュールの一部を見直した。今月1日付の「区画整理ニュース」などに掲載し、地権者らに理解を求めている。

 変更区域別にみていくと、高台③は東エリアの引き渡しが28年度秋にずれ込んだ半面、早期展開を目指していた西エリアは29年度内に早まった。これまでも文化財調査の有無により区域内でも引渡時期が異なっていた。

 高台④は文化財本調査の早期完了により、28年度末の引き渡しに前倒し。高台⑦も文化財試掘調査の結果、本調査が不要になったことから引き渡しが29年度末に早まった。

 一方、見直しによって高台⑥は30年度前半と遅れ、高田地区の高台では引渡時期が最後となる。土砂搬出路(北幹線)の整備に時間を要したという。

 先月18日に開催された区画整理審議会段階では、高台③(面積3・4㌶)は119地権者、高台④(同1・2㌶)は20地権者、高台⑤(高寿園北側、同1・7㌶)は51地権者、高台⑥(同1・2㌶)は38地権者、高台⑦(同1・4㌶)は42地権者。防災集団移転促進事業による再建者も含み、高台②の92地権者を合わせた総数は362地権者となる。

 また、かさ上げ地のうち中心市街地として整備する商業エリア(4・3㌶)は68区画。同エリアの西側に隣接する準商業エリア(4・7㌶)は74区画。いずれも専用店舗か業務系、住宅などとの兼用店舗での利用計画がある地権者に対する換地となる。これとは別に、借地などによる再建を計画している事業主もいる。

 市は今月下旬に区画整理審議会を開き、商業エリア以外のかさ上げ地の仮換地案を示す計画。地区内すべての地権者が「いつ、どこで」再建できるか見通しが示される。地権者らを対象としたこれらの仮換地案供覧については、3月後半からをめどとしている。市がまとめた整備スケジュールは別掲。