心の交流これからも、初の思民(しみん)感謝ツアー/陸前高田

▲ 氷上共鳴会をはじめ地元団体が歓迎した「思民感謝祭」=陸前高田

 東日本大震災以降にボランティアなどで陸前高田市に来た人々の再訪機会をつくり、発災5年の現状に理解を深めてもらう初の「りくぜんたかた思民ウェルカムバックツアー2016」は6、7の両日、同市内で行われた。県内外から集まった「思民」たちは地元住民らとの再会を楽しんだだけでなく、市内各地を回って発災以降はぐくまれた絆や地元食材のおいしさを堪能した。

 

再会喜び、新たな魅力発見

 

 延べ17万人とも言われるボランティアをはじめ、市外からの支援を受けながら復興への歩みを進めてきた陸前高田市。5年の節目を前に、これまで訪れた人々に広く再訪を呼びかけ、感謝の気持ちを伝えようと市や各種団体による実行委員会が立ち上がった。

 ツアーは一ノ関駅や花巻空港などを発着とし、市外在住者らが申し込む形とした。ツアーの企画・主催は岩手県北観光が担った。

 初日は高田町のキャピタルホテルで「思民感謝祭」を開催。「思民」約40人を歓迎しようと、地元団体の関係者ら約60人が集まった。

 乾杯後、ステージ披露のトップを飾ったのは氷上共鳴会による氷上太鼓。「うごく七夕」のまつりばやしも響かせ、陸前高田らしさを呼び込んだ。

 戸羽太市長は観光面では閑散期にあたる2月に多くの申し込みがあったことに感謝を寄せながら、発災から5年の歩みを紹介。米崎町のアップルガールズによる「一本松踊り」も披露された。

 会場では市がブランド化を進める「たかたのゆめ」や広田湾産カキなどを具材としたパエリアを提供。地元産魚介類をつかった寿司や、早採りワカメのしゃぶしゃぶなども並び、好評を博した。

 2日目は「思民」が市内各地を巡る行程が組まれた。米崎町の普門寺では、寄贈を受けた1300を超える仏像が並ぶ祭壇の前で、熊谷光洋住職が講話。参道沿いの五百羅漢像などを加えると、仏像は市内の震災犠牲者に近い数に到達している。参加者は、全国から寄せられ続ける慰霊の心にふれた。

 同町の脇之沢漁港では、広田湾での養殖漁業に関する説明を受けたほか、蒸し上がったカキを堪能。矢作町の二又復興交流センターでは、あゆみ工房(横田町)がつくった煮染めやひっつみ料理を味わった。

 東京都品川区在住の土井将弘さん(46)と伊藤文枝さん(43)は岩手県での震災ボランティア活動で知り合い婚約。「当時お世話になった方に再会できたほか、新しい魅力の発見もあった」と語り、そろって笑顔を見せた。

 随行した岩手県北観光の今井仁さん(42)は「陸前高田が好きで参加してくれるし、地元の皆さんは来るのを待っている。特別豪華な内容というわけではないが、思いが通じ合い、リラックスしながら過ごせるツアーになったのでは」と話していた。