さらなる発展の契機に、町制施行から60周年/住田町

▲ 昭和30年の合併から60周年の節目を迎えた住田町。きょう、町役場で記念式典を開催(写真は世田米地区)

 昭和30年に世田米町、上有住村、下有住村の1町2カ村が合併して誕生した住田町。平成27年に町制60周年の節目を迎えた。これを祝し、さらなる町政発展の契機とする記念式典は9日午前10時から、町役場町民ホールで開かれる。式典では、町勢発展や東日本大震災後における町の後方支援活動に貢献した特別功労者を表彰。福岡大学の柴田久教授による記念講演も行われる。(4、5面に関連記事)

 

 きょう記念式典挙行、特別功労者表彰など

 

 住田町は県の東南部に位置し、大船渡市、陸前高田市、釜石市、遠野市、奥州市、一関市に隣接。総面積は3万3483・で、その9割を森林が占める。昨年12月末現在の人口は5885人。
 沿岸部最高峰の五葉山や宮沢賢治が愛した種山ヶ原などが位置し、清流・気仙川が流れる。古くは南部藩と伊達藩にまたがっていたことから、いまも両藩の歴史を物語る史跡などが残る。
 町は「自立・持続のまちづくり」を基本姿勢に、「住民福祉の向上」を目指した産業振興、教育や福祉の向上、生活基盤の整備といった各種施策を展開。現在は人口減少や顕著な少子高齢化などの諸課題を踏まえ、新たなまちづくりを進める「人口ビジョン・総合戦略・総合計画」の策定作業が進む。
 産業分野では「森林・林業日本一の町」を目指した林業施策を展開。
 木材流通システムの充実、FSC森林認証制度や木質バイオマスなどの環境に配慮した取り組みを図っている。26年度に落成した木造の新役場庁舎は、防災や住民交流の拠点としてはもちろん、木造公共施設のモデルとして全国各地から注目を集め、高い評価を受けている。
 平成23年の東日本大震災では、気仙両市をはじめとする被災地の後方支援に発災直後から尽力。町職員を被災自治体に派遣したり、町独自で木造応急仮設住宅を建設して被災者を受け入れるなど、物心両面からのサポートを続けている。
 記念式典では、記念映像の上映や5個人9団体の特別功労者表彰などを実施。福岡大社会デザイン工学科の柴田教授による記念講演も行う。特別功労表彰の受賞祝賀会は午後0時30分から、ホテルグリーンベル高勘で開かれる。