古里の誇り伝えたい、三鉄などで大船渡PRのCM収録/ みんなのしるし(別写真あり)
平成28年2月14日付 7面
芸術文化を通じた地域創生、復興の各種事業に取り組む大船渡市のみんなのしるし合同会社(前川十之朗社長)は12日から、同市を全国にPRするCMの収録を市内各地で行っている。メーン会場は、三陸鉄道南リアス線の運行車両。古里の誇りと市民の魅力を伝えるコンテンツの完成を目指し、スタッフと出演者らが力を合わせて活動に臨んでいる。
CM制作は、大船渡の認知度向上や観光客増加を図る同市の「大船渡プロモーション推進事業」の委託を受けて実施。制作過程で住民が自身の地域に誇りを持ち、地方の人口流失の歯止めにつなげることなどが狙い。
同社は同事業の一環で、2月中に行う3回の住民参加型ワークショップと、インターネットで公開するCM制作を企画。
このうちネットで公開するCMは、ローカル線の三陸鉄道で同市の新郎新婦の結婚を祝うという内容。約2分の映像に大船渡の名産品や郷土芸能などの観光要素を随所に散りばめ、出演者の市民約120人が、メンデルスゾーンの『結婚行進曲』を気仙でおなじみの方言〝ばばば〟で歌う。
前川社長ら社員が出演者探しなど準備を進め、収録日は12日から15日までと決定。監督は、テレビ番組などの制作で活躍しているCMディレクターの佐藤典之さん(福島県)。
13日の収録は、三陸鉄道の協力で南リアス線の一部車両を貸し切って実施。車内には本格的な撮影スタジオが設けられ、酔仙酒造㈱の酒樽の鏡開きや、同市の女性グループ「オオフナコ」による手品ショー、おおふなトンのお見送りシーンや権現舞などが演じられた。
この日は、新郎新婦の入場シーンも車内で収録。新郎新婦役は、結婚生活2年目で赤崎町在住の古内清満さん(28)と妻・有希さん(32)。りりしいスーツ姿の清満さんと美しいウエディングドレス姿の有希さんが登場すると、座席に座っていたギャラリーが拍手で迎え、本当の結婚式のように祝福の笑顔を向けた。
清満さんは「周囲の人たちが盛り上げてくれたので収録は緊張せず、むしろみなさんから自然にお祝いを受けた感じでうれしかった。大船渡PRの役に立てれば」と、有希さんは「地元のさまざまな人たちの思いがぎゅっと詰まったすてきな企画だなと思います。仕上がりが楽しみ」と、作品の完成を心待ちにしていた。
前川社長は「出演者の選出にあたり、大船渡には素晴らしい活動をしている人たちがたくさんいるということがあらためて分かった。残りの期間も、スタッフと出演者が楽しく参加し、よりよい作品に仕上げたい」と話していた。
CM作品の公開日は3月5日(土)。今後ネット上に新設するサイトで配信する予定で、詳細は随時チラシや市の広報などで周知を行う。問い合わせは同社(℡47・5125)へ。






