一般会計は52億円余に、28年度当初予算案発表/住田町

160225-1面・住田予算案 住田町は24日、平成28年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は52億1400万円で、現年度当初比の1・6%増。「町民所得向上」と「人口対策」を重点事項に、地域資源を生かした産業振興や住まいの確保、子育て支援などを進める。また、大船渡地区消防組合住田分署の建設事業や、各地区公民館への地域おこし協力隊と集落支援員の配置などにも取り組む。特別会計予算と合わせた総額は74億1052万円。予算案は3月2日(水)招集の町議会3月定例会に提案される。

 

重点は所得向上と人口対策

 

 町は28年度、「町民所得向上」と「人口対策」を重点事項としたまちづくりを推進する町人口ビジョンと住田型総合戦略の初年度となることから、住民や企業などを含めた全町が一丸となって先駆的かつ大胆な取り組みを進め、「住みたい町:住田」を実現するための予算を編成した。

 各種予算は、一般会計が52億1400万円で、特別会計が21億9652万円(現年度当初比0・5%増)。総額は74億1052万円(同1・3%増)となった。

 一般会計歳入のうち、74・3%が依存財源。最も多いのは地方交付税19億8000万円(同4・8%減)で、町債11億5230万円(同52・1%増)、繰入金5億8968万円(同69・5%増)、町税4億5535万円(同5・9%増)など。繰入金には、財政調整基金4億円、減債基金1億6987万円を計上した。

 目的別歳出の内訳で最も多いのは、民生費の10億1366万円(同8・7%減)。これに総務費8億831万円(同13・3%減)、消防費7億8272万円(同181・2%増)、教育費5億6611万円(同0・5%増)などが続く。

 主な事業のうち、予算額が最も大きいのは住田分署建設事業4億9260万円で、29年度までの2カ年によるもの。28年度は設計、用地造成までを計画しており、29年度の完成を目指す。保育所運営費は27年度に始まった3歳から5歳児の全員入園、無料化に加え、新たに土曜の終日保育も実施する予定であるため、2億1765万円を計上した。

 新規事業は、旧役場庁舎解体5266万円、中心地域・中心商店街活性化事業230万円、飼料用米生産拡大事業費補助金200万円、木質バイオマスエネルギー利用推進事業6278万円、森林・林業再生基盤づくり交付金事業694万円、起業奨励金300万円、耐震性貯水槽設置事業4600万円、希望郷いわて国体デモンストレーション競技開催事業負担金300万円など。

 また、集落支援員設置事業には1191万円、新規の地域おこし協力隊設置事業には2262万円を計上。各地区公民館に支援員、協力隊をそれぞれ1人ずつ配置し、地区ごとの特色ある地域づくりを推進する。奨学資金貸付事業では、28年度以降に町の奨学金を償還する人を対象とした返還金免除制度を創設。卒業後の一定期間、就労して町内に定住すれば、最大で償還金の半額が免除される。

 継続事業は、住民交流拠点施設整備事業4736万円、町単独子育て支援医療費助成事業1047万円、シカ等有害捕獲事業2362万円、橋りょう補修事業9000万円、住田高校教育振興事業費補助金1997万円など。

 特別会計は、国民健康保険が9億4496万円(同1・3%減)、簡易水道事業は1億9263万円(同11・1%増)、下水道事業は8857万円(同6・1%増)、介護保険(保険事業勘定)が8億9546万円(同0・3%増)、同(介護サービス事業勘定)が155万円(同65・2%減)、後期高齢者医療が7334万円(同1・3%減)となった。

 財政指標面では、借入の11億5230万円に対し、元利償還金が5億3546万円と、借り入れが大幅に超過しており、自治体の財政健全度を示す財政健全化判断比率は多少悪化する見込み。このため、引き続き中長期の財政見通しに基づいた事業実施に努めていく。

 予算編成に当たり、多田欣一町長は「目先のことに一喜一憂することなく、20年後、30年後の町の未来を常に見据えながら、町民とともに地域の魅力を生かしたまちづくりに取り組んでいく」と述べた。