大船渡の活力発信に、NHKドラマ「恋の三陸 列車コンで行こう!」試写会

▲ ドラマ初回の作品が上映された試写会=リアスホール
160226-7阿ドラマ列車コン試写会②2d

収録時のエピソードについて語った(左から)山本さん、玄理さん、浅香さん、清水さん

 大船渡市を舞台にしたNHKのドラマ「恋の三陸 列車コンで行こう!」(全3回放映)の試写会が24日夕、同市盛町のリアスホールで開かれた。収録に参加した住民ら200人以上が、27日(土)放映の第1回「あやうい恋」を鑑賞。なじみの風景や市民が映った作品を楽しむとともに、震災後の大船渡の活力発信に期待を寄せた。

 NHKは東日本大震災以降、被災地応援の意もこめ東北を舞台にしたテレビドラマを制作、放映している。今回は、震災から5年の節目を迎えることに伴って企画された。

 

あす放映開始

 

 舞台は震災から5年目の「西大船渡市」。ローカル鉄道で男女の出会いの場を創出する企画「列車コン」などで、地域の活性化に挑む人々の熱い思いや恋愛模様を軽快なタッチで描く。

 主演は女優の松下奈緒さんで、「列車コン」を担当する市役所職員の岩渕由香里役として登場。また、由香里の姉の夫・大迫達也役を演じる安藤政信さんのほか、陸前高田市出身の村上弘明さん、山崎静代さん(南海キャンディーズ)、松坂慶子さん、黒島結菜さん、浅香航大さん、玄理さん、塩見三省さん、壇蜜さん、松岡茉優さんらが出演する。

 収録は昨年12月から先月中旬にかけ、大船渡市内各名所や東京都のスタジオなどで実施。エキストラとして多くの地域住民も出演した。

 試写会は大ホールで行われ、子どもから大人まで幅広い世代が来場。上映中は、三陸鉄道の各駅や復興途上の大船渡市内、魚市場や各漁港などが画面に映り、知っている風景や自分の姿を見つけた人たちはクスリと笑いをこぼしながら、約45分の作品を全員で堪能した。

 その後、出演者のうち支倉大輝役の浅香さんと花咲萌役の玄理さん、ドラマの脚本を手がけた清水有生さん、制作統括の山本敏彦さんの4人がステージに登場。来場者からの質問を受けるなどして、収録時のエピソードなどドラマの裏話で盛り上がった。

 浅香さんは「会場には収録時に見知った人たちもいて、上映終了後の表情が笑顔だったのでほっとした。ロケが始まるとき、見知らぬ人間に心を開いてくれたみなさんの温かさが、この作品から多くの人に伝われば」と願った。

 また、玄理さんも「大船渡は、関東ではないような出演者同士のふれ合いの場も生んでくれたすてきな場所。苦難があっても生き抜いていかなければ、という住民の力強さと明るさ、素晴らしさを表現できた作品になっていれば」と期待をかけた。

 エキストラとして参加した赤崎町の高橋房枝さん(60)は「収録現場で見たものが一つの作品に仕上がっていたことに感動するとともに、制作者側の熱意も伝わってきた。1話目だけでもおもしろく、現在の大船渡の魅力がいっぱい詰まっているので、ぜひ全国の人に見てもらいたい」と笑顔をみせていた。

 放送日時は次の通り。

 ▽第1回「あやうい恋」27日午後10時~

 ▽第2回「止まらぬ恋」3月5日午後10時~

 ▽第3回「恋のチカラ」3月12日午後1015分~

 3月5日、12日、19日深夜0時10分から再放送