借地事業者 高田松原商業開発などに決まる、中心市街地の大型商業施設/陸前高田
平成28年3月5日付 1面

陸前高田市は、高田地区のかさ上げ地に設ける大型商業施設等用地の最優秀提案者に、高田松原商業開発協同組合(理事長・伊東孝㈱山十代表取締役)をはじめとする3社に選定したことを明らかにした。震災前は「リプル」を運営していた同組合が地域交流専門店街を、昨年設立された陸前高田再開発㈱(代表取締役・米谷春夫㈱マイヤ社長)は食品スーパー、大型専門店を中心とした棟を運営。これにドラッグストアを展開する㈱ツルハ(本社・北海道札幌市)が加わる計画。施設は28年度内の完成を目指す。
市はこのほど開いた市中心市街地借地事業者選定委員会で、最優秀提案者を決定。高田松原商業開発協組が代表法人で、陸前高田再開発とツルハが構成員となっている。応募はこれらの組織だけで、応募要項の提案条件を満たした。
提案計画概要によると、にぎわいの核としての役割が期待される大型商業施設は地元の被災事業者や他の商業者が出店し、図書館と一体的な施設として整備。入居テナントは20事業者を予定し、このうち被災事業者は14事業者となっている。
地域交流専門店街とするA棟、食品スーパー・衣料大型専門店を中心としたB棟、全体の利便性を高めるドラッグストアのC棟からなる。A棟と一体的に整備する図書館は代表法人が整備し、市が買い取る形となっている。
1月に認定を受けた市まちなか再生計画によると、各棟いずれも鉄骨造平屋で一体的に整備。高台に位置する本丸公園側に建物を構え、高田松原側が駐車場スペースとなる。整備時に補助を受けるA棟の建築面積は818坪で整備費は約5・6億円。B棟は981坪で整備費約6・5億円となっている。
高田松原商業開発協組は平成9年6月に設立。国道45号高田バイパス沿いに構えたショッピングセンター・リプルは12年12月にオープンした。売り場には総合食料品のスーパーマーケット、酒、CD・書籍・文具、総合衣料、飲食などの各専門店計20店舗余りが入った。
スーパーマーケットは当初、あぶらや商店が運営していたが、18年からマイヤが入店。ツルハは震災前も国道45号沿いに店舗を構え、震災後は竹駒町と米崎町に出店した。
大型商業施設は、中心市街地予定地の中では最初に建築整備が始まる。今年夏からの着工、28年度内完成を目指す。
市と事業者は、本協定の締結協議に入る。15日(火)午後6時30分から高田町の市コミュニティホールで新設説明会が開かれる。
市は昨年12月から今年1月にかけ、個店の借地事業希望者も受け付けた。申し込みがあったのは、29事業者。今月中に各個店の位置などを確定させる。これとは別に、換地で約50事業者が入るという。現時点での中心市街地への進出予定は計約100事業所となっているほか、今後も借地募集を控えている。