広田湾産〝食べ比べ〟、飲食店関係者にカキの魅力PR/陸前高田で(動画、別写真あり)
平成28年3月8日付 3面

陸前高田市の広田湾遊漁船組合(大和田晴男会長)は6、7の両日、一般社団法人牡蛎の会(泉洋子代表理事)や首都圏に店舗を構える飲食店関係者を市内に招いての懇談会を開催した。広田湾産の品質の高さや魅力により理解を深めてもらおうと、町ごとの試食や調理提案、地元生産者との交流などを企画。首都圏から訪れた人々は、多彩な角度から品質の高さを再認識していた。
同漁船組合は一昨年4月に設立。広田湾産独特のふっくらとした食感や濃厚な味わいを誇るカキ、全国唯一の養殖産地であるエゾイシカゲガイなどのアピールを通じて、消費者とのつながりを強める活動を展開している。
今回は首都圏消費者の動向に詳しいオイスターバーをはじめ各種飲食店関係者らを陸前高田に招待し、広田湾産全体の特徴や漁場ごとに異なる〝個性〟にふれてもらいながら、今後の販路展開やPR方法などで意見を得ようと企画。渋谷や代官山、銀座、下北沢などで店舗を構える関係者14人が訪れた。
6日に陸前高田に入った一行は、小友町の箱根山テラスに到着後、広田湾やカキ、エゾイシカゲガイの両養殖、被災からの立ち直りを図る漁業の現状などについて研修。漁船にも乗り、生産現場を体感した。
7日は高田町の市コミュニティホールで、牡蛎の会関係者が腕をふるうカキ料理の調理や、食べ比べが行われた。広田湾漁協関係者や生産者ら約20人も参加した。広田、小友、米崎、気仙各町別に殻付きカキをそれぞれ40個用意。むき身も2㌔準備した。
牡蛎の会関係者は調理室で▽カキのガーリック焼き▽カキとゴルゴンゾーラのクリームリゾット▽殻付きカキの和風エスカルゴソース焼き▽カキとイチゴのソテー──を調理。ニンニクなどの香味を大胆に生かした仕上がりや果物との〝コラボ〟など、気仙では目にすることが少ない料理が並んだ。
また、産地の町ごとにカキが並び、熱を入れた時の身の締まり具合や、食感などを確認。大きさや時期などに合わせた販路展開の方向性について、生産者と飲食店関係者が意見交換を行った。
下北沢に居酒屋・つ串亭を構える木村敏さん(72)は、40年以上前から築地市場で広田湾産カキを仕入れているという。「お客さんが喜び、その笑顔が店舗の励みになり、評判が生産者に伝わる。広田湾のカキはそうなる品質の高さがある」と語り、今後の展開に期待を寄せた。
大和田会長(63)は「どのようなカキが好まれるのか、大きさなどに合わせどういう売り方があるのかを研究し、レベルアップを図っていきたい」と話していた。