28年度内開業へ新体制構築、社長に田村氏(衆栄商事)選ぶ、キャッセン大船渡が取締役会

▲ キャッセン大船渡の代表取締役に就任し記者会見で決意を語る田村氏(左から2人目)=大船渡商工会議所

 大船渡市大船渡町のJR大船渡駅周辺で中心市街地再生を担うまちづくり会社、㈱キャッセン大船渡の臨時株主総会と取締役会は7日、大船渡商工会議所で開かれ、昨年12月の設立以来、暫定措置として戸田公明市長が就いていた代表取締役に、会社役員・田村滿氏(69)=大船渡町=を選んだ。商業集積の受け皿となる津波復興拠点整備事業区域(10・4㌶)で、まち会社は今夏にもテナント型商業施設の建設に着手し、平成28年度内の開業を計画。新体制のもとで新たなまち形成へと進む。

 

戸田市長の後任で

 

 キャッセン大船渡は、市と大船渡商工会議所、エリアマネジメントパートナーの大和リース、予定借地人(出店者)、金融機関の9団体が資本金3000万円で昨年1215日に設立。

 八つの街区が設けられた津波復興拠点整備事業区域中、二つの街区にテナント型商業施設を整備し、この管理運営や大船渡駅周辺の全体的なエリアマネジメント推進を担う。

 設立時、代表取締役には戸田市長が就任したが、「民間の経営経験者に引き継ぐ」として、これまで人選を進めてきた。

 田村氏は青山学院大学卒。衆栄商事㈱や㈱高田自動車学校を営み、県中小企業家同友会気仙支部長、ケセンきらめき大学学長などを歴任。キャッセンのテナントにはパンの店を出す計画という。

 この日の臨時株主総会と取締役会では、同氏を取締役に選任したうえ、代表取締役を退く戸田市長の後任とすることを決定。終了後、同氏と戸田市長、取締役の角田陽介副市長、臂徹タウンマネージャーが記者会見に臨んだ。

 「復興特需」の収束が叫ばれ、商店街の活力衰退という従前からの課題も抱える中での船出に、田村氏は「皆が本気になってこのまちを何とかしたいと思えば、成功するはずと考えている。ビジョンを構築して掲げ、皆さんに賛同していただき、遂行していくことが自分の役割だ」と決意を表明。

 そのうえで「個店が環境の変化をとらえて行動することが必要。そうした勉強の機会もつくっていきたい」と意欲を見せた。任期は来年9月末まで。

 代表取締役の退任あいさつを行った戸田市長は、「今後も大船渡、気仙、三陸沿岸の中心部として、まちの活性化が全体に波及していくよう、市として一生懸命支援していく」と述べた。

 キャッセンのテナントには二つの街区合わせて31事業者が出店を計画。それぞれの建物は8月上旬に着工、来年3月上旬には開業というスケジュールを描く。

 拠点ではこれに先駆け、㈱サクラダが今月12日(土)に大船渡プラザホテルを開業。マイヤなどでつくる大船渡再開発㈱が複合型商業施設を4~6月にかけて順次オープンさせ、さいとう製菓㈱がファクトリーショップ開設、おおふなと夢商店街グループがグループ補助金を活用した独自施設整備を計画している。