手がかり発見の使命胸に、大船渡署など合同集中捜索/震災5年の月命日に

▲ 行方不明者の捜索を行う署員ら=気仙町

 震災から5年の月命日となる11日、大船渡警察署(吉田良夫署長)は、気仙両市の海岸線で東日本大震災にかかる行方不明者の集中捜索活動を実施した。署員らは震災の犠牲者追悼の思いと、行方不明者の手がかり発見の使命を胸に活動に臨んだ。

 この日は、同署のほか県警本部署員や機動隊、北上、江刺、水沢、一関、千厩の各警察署員、陸前高田市役所職員の計96人が出動。震災当時、大船渡署の副署長だった津田勝則北上警察署長も参加した。

 開始式は同市高田町の旧道の駅高田松原タピック45で行われ、黙とうと大船渡警察署高田幹部交番の及川聰所長による出動申告のあと、吉田署長が「いまだに見つかっていない行方不明者の家族のため、一日も早く、小さな手がかりでも見つけてほしい」と訓辞した。

 捜索は、陸前高田市気仙町の要谷漁港付近、同市米崎町の米ケ崎海岸、大船渡市末崎町の船河原海岸の3地域で実施。県警の堀誠司本部長は各地を回り、活動状況を視察した。

 このうち要谷漁港付近の海岸線では、署員らが重い岩をよけて漂着物を調べたり、くま手などの道具で砂浜の砂をかきわけたりしながら活動。震災と関係ありそうなものを見つけると、近くの署員と確認し合い記録に残した。

 北上署の八木歩美巡査(26)は「被災した方々は、これからも毎年あの震災のことを思い出すのだと思う。私も震災のことを忘れず、少しでも多くの人の役に立てるよう今後も活動していきたい」と熱意を見せていた。

 活動の結果、骨のようなもの11片と携帯電話などを発見。今後鑑定など調査が進められる。

 県警によると、大船渡署を含む沿岸各署の捜索活動は28年度も継続される。

 県総合防災室によると、気仙の震災被害者数は2月29日現在、大船渡市が死者340人、行方不明者79人、陸前高田市が死者1556人、行方不明者205人となっている。