大船渡駅周辺地区、きょう第1期まちびらき/大船渡

▲ 復興拠点で開業した大船渡プラザホテル。隣接の交通広場の供用に合わせ、きょう「まちびらき」を催す=大船渡市

 大船渡市の中心市街地で、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた大船渡町のJR大船渡駅周辺地区。商業業務機能再生の受け皿としてかさ上げなどの工事が行われてきた津波復興拠点整備事業区域(約10・4㌶)では、中心部の街区でホテルや交通結節点となる広場の完成を迎え、きょう13日に「第1期まちびらき」が開かれる。震災から5年を経て、大船渡の復興はまちのにぎわいを生むという新たなステージに入った。

 

中心市街地再生の一歩

プラザホテルが開業

 

 被災前、商業の中心地を形成していた大船渡駅周辺。市ではふたたびにぎわいを取り戻そうと、津波復興拠点、土地区画整理の両事業を組み合わせ、面的なかさ上げを施すなどして災害に強いまちづくりを進めている。

 その中心部に位置する津波復興拠点の先行整備区域(約2・3㌶)では、㈱サクラダ(櫻田直久社長)が移転新築を進めていた大船渡プラザホテルが完成し、12日に開業を果たした。

 拠点内では八つの街区に商業施設を集積することとしており、その先陣を切って昨年3月に着工していた。鉄筋コンクリート7階建て。客室95室や300人収用の宴会場、チャペルなどを備え、気仙や三陸沿岸の交流拠点としての役割も担う。同日行われた竣工式で、櫻田社長は旧館の被災から再開、そして新館建設までの道のりを振り返りながら、「新しい客室からはまちの再生の様子を見ることができ、わたしたちも、その手伝いをしていきたい」と、交流人口拡大の一翼を担う決意を語った。

 同ホテルに隣接する約2400平方㍍の交通広場は13日に供用を開始し、これにつながる市道(通称・南北線)も通行可能となる。復興工事に伴い、これまで同駅周辺地区で一般道を運行してきたJR大船渡線BRTは同日から専用道に戻る。広場は今後、BRTやタクシー、路線バスなど、公共交通の結節点として役割を発揮していく。

 まちびらきは、この広場を会場に午前10時から開かれる。市が主催、駅周辺の復興整備を担う独立行政法人・都市再生機構岩手震災復興支援本部と同駅周辺地区震災復興事業共同体が共催。行政や工事関係者らが出席する。

 大船渡保育園と大船渡東高校太鼓部によるオープニングアトラクションに続き、米国国務省と日米交流財団の「友好の木・ハナミズキイニシアチブ」から同市に贈られたハナミズキを記念に植え、テープカットで新しいまちのスタートを告げる。

 「復興の大きな節目の一つ。今後の本格復興に大いに拍車がかかるものととらえている」と戸田公明市長。広域的な商業・観光拠点として、官民協働で育て上げていく方針だ。