意見や期待寄せる場に、住民交流拠点施設内レストランの試食会/住田町(別写真あり)

▲ 住民交流拠点施設内の地産地消レストランで提供を予定するメニューを試食=保健福祉センター

 住田町世田米字世田米駅に整備し、『昭和の日』の4月29日(金)にプレオープンする住民交流拠点施設「まち家世田米駅」。この施設内に開設する地産地消レストラン「Kerasse(けらっせ)」のメニューを提供する試食会が29日、保健福祉センターで開かれた。町内の各種団体などから参加があり、地元産食材を用いた料理を試食。アンケートに答えるなどしながら意見や期待を寄せた。試食会は来月13日(水)まで合計6回行われる。

 

ひと足早く料理を提供

 

 同施設は町の中心地域活性化構想に基づき、地域住民に住み続ける誇りやこだわりを再認識してもらうとともに、中心地域の歴史的な魅力を再発見し、育み、発信し、未来に継承するための拠点として整備。明治時代に建設された旧館と、昭和32年に増改築された新館からなる旧菅野家を保存、改修して利用する。

 施設の管理、運営は、指定管理者制度によって一般社団法人SUMICA(村上健也代表)が担当。試食会はレストランメニューの試食と施設概要の説明をする機会にと、町の食いくプロジェクトとタイアップして企画。今月29日、4月3日(日)、13日の3日間、昼夜2回の合計6回実施する。主催者側では町内の各種団体などに案内をして希望者を募集し、初回の試食会には17人が参加した。

 試食を前に、村上代表(48)が施設の事業内容を説明。レストランの名称は〝来てけらっせん〟などの意味を込めて付けたとし、このほかにも住田の魅力をPRするコミュニティカフェ・すみカフェ、子育て支援の場にも位置づけるコミュニティ交流スペース、レストランの奥座敷であるおもてなしスペースなどを紹介した。

 続いて、レストランでシェフを務める地元出身の菅野悠太さん(27)が腕を振るった料理を提供。今回は「水野さんの春菊ポテト」をはじめ、「野菜五種のバーニャカウダ」「ありすポーク 肩ロースのロースト」「清流若鶏とキノコの自家製ジェノベーゼソースのパスタ」など10品を用意。地元産の野菜、豚肉、鶏肉、大船渡産の魚介類などを用いた。

 メニューの多くはイタリアンをベースとしており、参加者らはひと口ずつ味わいながら試食。渡されたアンケートにも答えた。

 参加者らは「今まで地元では食べられなかったおしゃれな料理で楽しめた。オープンしたらまた食べに行きたい。春菊ポテトはまた食べたいし、レシピもほしい」「普段の町内では全くなかった食体験ができたが、これを楽しむ人と受け入れない人のバランスはいかがなものかとは思う。歩いて行けるところにこんなレストランがあるのは、サプライズになる」などと話していた。

 試食会では今後、新たなメニューも加えながら提供を予定。参加者の意見を踏まえ、レストランで出す料理を決めるとしている。

 菅野さんは「オープンに当たっては、雰囲気のいい店をつくりたい。アンケートの答えを受けて改善し、努力をしていきたい。自分なりに住田に貢献していければ」と、村上代表は「皆さん緊張した感じで食べていたので、今後は柔らかく温かい雰囲気を出していきたい。試食会でレストランのイメージもできる。気軽に立ち寄ってもらえる施設を目指したい」と意欲を見せていた。