愛らしく春告げる、サクラ標本木が開花/大船渡市

▲ 春本番の到来を告げる標本木が開花=盛町

 大船渡市は2日、独自に指定する盛町のサクラ標本木の開花を発表した。平年より8日早く、昨年と同日の開花宣言で、観測開始以来、史上2番目の早さとなった。確認に訪れた市職員が愛らしい花弁を見上げながら、春本番の到来を喜んだ。

 

観測史上2番目の早さ

 

 標本木は盛町の市体育センター南側に植えられている樹齢約40年のソメイヨシノ。昭和50年ごろに市勤労青少年ホームの環境整備の一環として同ホーム会員の協力を得て植樹したという。

 温暖な気候の同市の標本木は例年、県内に先駆けて開花する。今季は暖冬の影響もあり、観測史上最も早い平成14年の3月31日を更新するという予測もあった中、規定数の5輪以上に満たず、4月に入った。

 2日は曇天が広がり、盛岡地方気象台によると、大船渡の最高気温は7・5度(平年比3・8度低め)と3月中旬並みで、肌寒い一日となった。

 開花宣言持ち越しも予見された中、市職員が現地を訪れると、きれいに咲いた花を6輪確認し、午前10時に開花を発表した。

 3日から天気は下り坂との予報で、これを前にした開花に職員らは胸をなで下ろしていた。プックリと膨らんだつぼみも多く見られ、市によると1週間前後で満開となる見込みという。

 東日本大震災で標本木は高さ3㍍ほどまで津波をかぶった。一部の枝が損傷したが、毎年けなげに花を咲かせる。このほか気仙では今後、各地でサクラの開花が本格化しそうだ。

 本年度新設された市観光推進室の鈴木弘室長は「開花宣言が観光推進室の初仕事となった。これから暖かい日が続けばすぐにも満開になるのでは」と期待を寄せていた。

 同気象台によると、3日は日本海から前線が進んでくるため曇りで、次第に雨の降るところも多くなる見込み。大船渡の最高気温は15度ほどと予想されている。