復興願い〝出発進行〟、JRのSL銀河が23日から今シーズン運行開始

▲ 23日に3年目の運行をスタートするSL銀河(写真は昨年)=上有住駅構内

 JR東日本が平成26年に導入した列車「SL銀河」は23日(土)、釜石線(花巻―釜石間、全長90・2㌔)で今シーズンの運行をスタートする。デビュー以来、多くの地域住民や鉄道ファンらの注目を集めており、3年目となる今年も東日本大震災からの早期復興を願い、〝出発進行〟する。気仙では、唯一JRの鉄路が通る住田町の上有住駅に停車するため、運行初日は町の関係者らがホームで列車と乗客を出迎える計画となっている。

 

気仙は上有住駅(住田町)に停車

 

 

 SL銀河は観光面からの復興支援と地域活性化を図ろうと、乗車そのものを目的とした新列車として整備。機関車と4両編成の旅客車で構成しており、定員は176人。26年4月にデビューした。

 機関車は、昭和15年製の「C58形239号」を復元修理。旅客車は「キハ141系」(50系客車を改造して気動車化した車両)を、宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」をテーマに大規模改造した。

 漆黒の機関車を先頭に、美しい星々が描かれたブルーの旅客車が鉄路を走る姿は、乗車客はもちろん、地域住民や全国の鉄道ファンらも魅了。沿線地域の観光振興にも貢献している。

 3年目の今年も、土日祝日を中心に運転。通常は土曜日が下り(釜石行き)、日曜日が上り(花巻行き)として1日1本、2日間で1往復する。停車するのは花巻、新花巻、土沢、宮守、遠野、上有住、陸中大橋、釜石の8駅。全区間(花巻―釜石間)の片道運行時間は約4時間30分で、遠野駅では給水作業などのために1時間10分余り停車する。

 乗車は全席指定。花巻―釜石間の乗車料は、大人が1660円、子ども(小学生以下)は830円。さらに指定席料金として、大人820円、子ども410円が必要。指定券は乗車日1カ月前の午前10時から、駅の窓口やびゅうプラザ、JR東日本のポータルサイト・えきねっとなどで販売している。

 JR東日本盛岡支社によると、販売を開始した5月5日(木)までの空席状況は、全区間で余裕があるのが同1日と5日の上り線。そのほかは満席や残りわずか、一部区間で空きがある状況という。同支社では「近くのみどりの窓口などで確認のうえ、購入を」と呼びかけている。

 3年目の運転開始にあたり、同支社では今月23、24(日)の両日にイベントを開催。23日午前10時10分ごろから花巻駅、24日同10時30分ごろからは釜石駅で「出発式」を、23日午後0時10分ごろから遠野駅、同3時ごろから釜石駅で「お出迎えイベント」を行う。

 上有住駅では運行初日、下り列車が到着する同2時17分に合わせ、同10分ごろから住田町や町観光協会の関係者らが列車の出迎えを計画。同協会のPRキャラクター・すみっこが登場を予定している。

 SL銀河の時刻表は別表。

160407-7面 SL