地区別に住民意見反映 土砂災害・洪水ハザードマップ/陸前高田市
平成28年4月9日付 1面

陸前高田市は、市内地区別に土砂災害・洪水ハザードマップを作成し、各戸に配布した。東日本大震災以降では初めて。各地区コミュニティ推進協議会の協力を得ながら2月から3月にかけて住民説明会を開催し、参加者から寄せられた洪水時の危険個所情報などを反映させた。
土砂災害防止法や水防法に基づき、市はがけ崩れや土石流、地すべりなどが発生する恐れのある区域などを示し、円滑な避難行動を促す目的で作成。生出、二又、下矢作、横田、竹駒、今泉、高田、米崎、小友、長部、広田の計11地区別にまとめた。
いずれもA2判で両面カラー。裏面全体が地図となっており、大雨によって河川氾濫した場合の浸水状況や避難所、土砂災害警戒区域(イエロー)・特別警戒区域(レッド)などが示されている。両区域は市内に合わせて660カ所余りある。
加えて、各説明会で住民から指摘があった洪水、落石、河川越水の危険性がある場所も明示。洪水浸水想定区域では、考えられる浸水の深さも色分けするなど工夫をこらした。
表面は全地区共通の構成。避難準備情報、避難勧告、避難指示がそれぞれ発令された際に求められる行動などを記載した。大雨時に関しては「時間を追って段階的に発表される気象情報、注意報・警報を活用し、早めの行動が大切。特別警報が発表されたら、ただちに命を守る行動を」と呼びかける。
土砂災害では、あらかじめ自宅周辺や避難経路周辺で危険性がある場所を把握する重要性を強調。一方で大雨、土砂災害ともすでに浸水していたり、避難所への避難が困難な場合は無理に移動をせず、丈夫な建物の2階以上に逃げて安全を確保するよう促している。
また「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を進めている中、避難時における要配慮者への支援も。高齢者や障がい者、乳幼児らへの避難行動協力にも理解を求める。
市は昨年、各戸に避難マニュアルを配布。最終ページにマップの収納場所があり、保管と有効活用を呼びかける。市防災局では「避難所までの経路や緊急的にどこに逃げればいいのかを確認するとともに、地域の防災活動などに役立ててほしい」としている。