商業機能大きく前進、21日にホームセンター開店/大船渡駅周辺地区

▲ 21日に復興拠点内でオープンを迎えるホーマック大船渡店㊧=大船渡町

 大船渡市が中心市街地再生に向けて商業集積を図るJR大船渡駅周辺の津波復興拠点整備事業区域(10・4㌶)。核店舗の一つとして整備が進められているDCMホーマック㈱(本社・札幌市、石黒靖規社長)のホームセンター「DCMホーマック大船渡店」の開店日が21日(木)に決まった。同区域内で「買い物ができる店」のオープンは初めて。同店を皮切りに周辺では6月にかけてホテルやスーパーマーケットなどが相次いで開業する見通しで、地域住民の利便向上やにぎわいづくりの先陣として期待が高まる。

 

本年度は開業ラッシュに

 

 ㈱マイヤ(米谷春夫社長)や同社など合わせて4社は、大船渡再開発㈱を設立。復興拠点に設けられた8街区中でもっとも大きい街区を借り、「キャッセン・大船渡ショッピングセンター」として敷地面積約3・4㌶の複合型商業施設整備を進めている。

 ホーマック大船渡店は昨年10月に着工。店舗面積は1605坪。駐車場は525台分を設ける。同社としてかさ上げ地への出店は初めてという。

 通常の物販のほか、介護用品を集めたシニアサポートコーナー、住まいに関する相談から工事までを担う「おうちスタイルリフォーム」コーナー、ペットのトリミング室、自転車メンテナンスのサイクルカウンターなどを設ける。

 このほか、工具や各種資材を店頭に陳列せず在庫とし、顧客の注文に応じて品出し・販売するという、「部品の倉庫―クイックパーツ―」のサービスを展開。「小規模事業者の倉庫代わり」をコンセプトとした初の試みという。

 大船渡では昭和63年~平成16年まで「ホーマックイセユウ大船渡店」(旧名・メイクイセユウ大船渡店)を構えており、新店舗の開店はこれ以来。25年6月から営業開始した別業態の「プロビルダーズ」は取り扱い品種を新店舗へ移管することとし、先月20日で閉じた。 

 同社では「地域特性を踏まえた品ぞろえやサービス、そして復興に必要な商品を充実させることで、大船渡はもとより気仙の皆さまに満足いただけるような店舗づくりを進める」と意欲的だ。

 営業時間は午前8時から午後8時。従業員は正社員7人、パート34人。21日から25日まではオープンセールを行い、初日は先着1000人へのプレゼント、23、24の両日午前10時から午後4時まではミニ動物園などのイベントも用意しており、新しいまちの節目の盛り上げを図る。

 同店へのアクセス路となる市道野々田明神前線と県道丸森権現堂線は現在工事中だが、開店日までには一部区間が通行可能となる見通し。

 大船渡再開発の複合型商業施設は中心市街地の集客核と位置付けられており、マイヤのスーパーマーケットは6月上旬、飲食店などが同月下旬にかけて順次開店していく予定だ。

 拠点内では大船渡プラザホテル開業と交通広場供用に合わせて先月13日に「第1期まちびらき」が行われており、今後まちづくり会社・キャッセン大船渡やおおふなと夢商店街グループの施設が年度内、さいとう製菓㈱のファクトリーショップが29年秋の開業を予定する。

 周辺の土地区画整理事業区域内のかさ上げ地では、ホテル福富が今月21日のオープンを目指し、ホテルルートイン大船渡が5月下旬の開業へ準備を進め、新しい中心市街地の姿が徐々に見え初めてきた。

 両事業区域を含むJR大船渡線より海側の約23㌶は、先月29日付で国が復興特区に認定。進出事業者は税制上の優遇措置が受けられるようになり、再建や新規の立地誘導に弾みがつくものと期待される。