「SL銀河」運行開始、上有住駅(住田町)でも歓迎/JR釜石線(別写真あり)
平成28年4月24日付 6面
JR東日本が平成26年に導入した列車「SL銀河」は23日、釜石線(花巻―釜石間、全長90・2㌔)で今シーズンの運行を開始した。3年目の運転となり、気仙で唯一JRの鉄路が通る住田町の上有住駅にも停車。ホームでは町や町観光協会の関係者らが列車と乗客を歓迎し、SLの旅を盛り上げた。
いざ、3年目の旅へ
SL銀河は観光面からの復興支援と地域活性化を図ろうと、乗車そのものを目的とした新列車として整備。機関車と4両編成の旅客車で構成しており、定員は176人。
漆黒の機関車は、昭和15年製の「C58形239号」を復元修理。旅客車は「キハ141系」(50系客車を改造して気動車化した車両)を、宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」をテーマに大規模改造しており、その外観は夜空を思わせるブルーに星々が描かれている。
土日祝日を中心に運転し、通常は土曜日が下り(釜石行き)、日曜日が上り(花巻行き)として1日1本、2日間で1往復する。停車駅は花巻、新花巻、土沢、宮守、遠野、上有住、陸中大橋、釜石の8カ所で、全区間の片道運行時間は約4時間30分(遠野駅では1時間10分余り停車)。
初日は花巻駅でのセレモニーに続き、世代を超えた多くの乗客を乗せて列車が出発。SLは高らかな汽笛の音を響かせ、煙を上げながら鉄路を走り、上有住駅には午後2時15分に到着した。
ホームでは、町や観光協会の関係者ら約10人が乗客らを歓迎。五葉山火縄銃鉄砲隊、同協会のPRキャラクター・すみっこも出迎えに駆けつけ、乗客に手を振ったり、記念撮影に応じるなどした。今シーズン初の運行を見に来た観光客、鉄道ファンの姿も見られた。
ホームからSLの勇姿を目にした一関市の小岩園枝さん(50)は、「SLを近くで見るのは初めて。すごい迫力で、煙をはく姿を見て来たかいがあった。大ファンのすみっこにも初めて対面できました」と、二重の喜びに笑顔を見せていた。
SL銀河への乗車は全席指定。花巻―釜石間の乗車料は、大人が1660円、小学生以下の子どもは830円。さらに指定席料金として、大人820円、子ども410円が必要。指定券は乗車日1カ月前の午前10時から、駅の窓口やびゅうプラザ、JR東日本のポータルサイト・えきねっとなどで販売している。