新たなにぎわい創出へ、住民交流拠点施設 「まち家世田米駅」/住田町

▲ 29日にプレオープンする住民交流拠点施設「まち家世田米駅」=住田町世田米

 住田町が世田米字世田米駅に整備する住民交流拠点施設「まち家世田米駅」は『昭和の日』の29日(金)午前11時、プレオープンする。当日は記念式典を行い、レストランなどを営業。コミュニティカフェや世田米地区公民館機能も兼ね備えた施設となっており、世代を超えた町内外の人々が集える新たなにぎわい創出の場として期待されている。

 

29日にプレオープン

 

 住民交流拠点施設は、町が平成23年度に決めた町中心地域活性化構想に基づいて整備するもの。地域住民に住み続ける誇りやこだわりを再認識してもらうとともに、中心地域の歴史的な魅力を再発見し、育み、発信し、未来に継承するための拠点として位置づけている。

 文化財としての価値もある世田米駅地内の旧菅野家を活用することとし、町は24年度に土地を4110万円で取得(建物は寄付)。旧菅野家は母屋部分が明治時代に建設された旧館と昭和32年に増改築された新館からなり、このほか家蔵3棟、2棟を合わせた蔵1棟、厩、前庭、中央庭で構成している。

 設計・監理は盛岡市の㈲盛岡設計同人、施工は地元の㈱長谷川建設・住田住宅産業㈱特定共同企業体が担当し、工事の請負契約金額は1億7493万円。工事は建物の部材や構造をできる限り当時のまま残す形で進められており、工期は5月末日まで。

 整備概要によると、施設の敷地面積は2406・63平方㍍で、延床面積は833・09平方㍍。延面積は木造2階建ての母屋が447・10平方㍍、土蔵が4棟合計で385・99平方㍍。

 母屋の屋内施設にはコミュニティカフェ、交流スペース、レストラン、おもてなしスペース、まちや体験スペースなどを整備。土蔵はギャラリースペース、歴史的資料展示、史資料保管、トイレ、倉庫として活用し、屋外には駐車場やイベント広場なども設ける。

 施設全般の管理、運営は指定管理者の一般社団法人SUMICA(村上健也代表)が務める。また、世田米地区公民館機能を有することから、主事と地域おこし協力隊員が常勤する。

 このうち、29日に供用を開始するのは、レストラン「Kerasse(けらっせ)」とコミュニティカフェ「すみカフェ」、コミュニティ交流スペースの3カ所。同日の記念式典では、協力者らへの感謝状贈呈や愛称・まち家世田米駅の名付け親への表彰、テープカットなどを計画している。式典後はレストランが営業を開始し、施設内の見学が自由にできる。レストランの営業は午後10時まで。

 同日以降は5月5日(木)まで営業し、その後は残りの整備工事を行うために一時休業する予定。同2日(月)は休業。

 施設の駐車場は現在整備中のため、車で来場する場合は町役場や旧役場庁舎の駐車場を使用すること。土日、祝日は岩手銀行世田米支店、JAおおふなと世田米支店の駐車場も利用できる。

 町や関係機関では、多くの来場、利用を呼びかけている。プレオープンや施設への問い合わせは、町企画財政課(℡46・2114)へ。