木と触れ合う住田の子に、新生児への木製品贈呈(別写真あり)

▲ 第1号となった高橋さん夫妻へ木製品をプレゼント=住田町役場

 住田町による「新生児へのお祝い品贈呈式」は27日、町役場1階の木育ひろば前で開かれた。平成28年度から町が取り組む「新生児用木製品提供事業」の第1号となった子どもに贈るもので、今月5日に誕生した高橋友和さん(38)・恵さん(38)夫妻の長女・貴音(たかね)ちゃん=世田米=に木のスプーンと木琴を贈呈。木と触れ合う住田の子に育ってほしいとの思いが込められた贈り物に、高橋さん夫妻は感謝するとともに、改めて我が子の健やかな成長を願っていた。

 

第1号の高橋さん(世田米)へ、記念セレモニー開催

 

 新生児用木製品提供事業は、27年度から取り組む町の「木いくプロジェクト」事業の一環として取り組んできたもの。子どもたちが木に触れ、木と暮らすことを通じて、その温もりや住田らしさを感じながら成長してほしいという〝木育〟の観点から展開しており、今月以降誕生した町内の新生児に対し、離乳食用のスプーンと、用意した木製品6点の中から希望する1点を贈る。

 贈呈式には、高橋さん夫妻と多田欣一町長、同プロジェクトワーキングチームのリーダーで贈呈する木製品を製作する大村圭さん(世田米)らが出席。多田町長から高橋さん夫妻に対し、二つの木製品が手渡された。

 多田町長は「新生児用木製品贈呈の第1号。せっかく授かったお子さんであり、町でも大事に育てていきたい」とあいさつ。大村さん(42)も祝福し、「大事に使っていただければありがたい」と述べた。

 贈られた木製品のうち、離乳食用のスプーンはツバキ材製。スギ材製の専用木箱に入っており、箱の底裏には貴音ちゃんの名前と生年月日が入っている。木琴はスギやサクラ、カリンなどの材を使い、温かみある音色が楽しめる。

 高橋さんは昔ドラムを演奏していたこともあり、第一子の名に〝音〟の文字を入れた。そんな縁もあって木琴を選んだといい、「せっかく音の出るものをいただいたので、音楽に携わるような人に育ってほしい」と願いを込めた。

 恵さんは「病院で第1号の贈呈者と聞いてびっくりし、今も実感がわかない。名前のように音に興味を持ち、とにかく元気に育ってくれれば」と話していた。

 町によると、現在のところ贈呈は今回を含む2件。今後も新生児の誕生に合わせ、スプーンのほか、木琴、テトリスパズル、知恵盤、森の琴、宝箱、貯金箱の6点から希望する品を贈る。

 町では新生児の保護者に対してカタログを配布するほか、木育ひろばに見本品を展示し、「木製品を選ぶ際の参考にしてほしい」と呼びかけている。