29年度中の供用開始へ、総合交流セ新築地鎮祭/陸前高田(別写真あり)

▲ 鍬入れの儀を行う戸羽市長と松坂委員長

 陸前高田市総合交流センター(仮称)の新築工事地鎮祭、安全祈願祭は27日、高田町の高田高校舎東側高台造成地で行われた。東日本大震災で全壊した市民体育館やB&Gプールなどの機能を確保する施設で、バレーボールコート3面を確保できる多目的ホールや、同じく2面をとれるアリーナ、柔剣道場、25㍍6コースの温水プールなどを計画。平成29年度中の供用開始を目指している。

新施設の外観イメージ

新施設の外観イメージ

高田高東側高台に 、体育館・プールなど整備

 

 地鎮祭、安全祈願祭には市や施工関係者ら約50人が参列。神事では氷上神社・熊谷守宮司による祝詞奏上や、戸羽太市長、松坂泰盛教育委員長による鍬入れの儀などが行われた。

 戸羽市長は「体育館やプール機能に加え、万が一何かがあった時の避難拠点となる。市民の皆さんにとっても大きな一歩を踏み出した」とあいさつ。伊藤明彦市議会議長も新施設整備に期待を込めた。

 設計・監理者の㈱NTTファシリティーズ東北支店(本社・仙台市)の武内一夫支店長、施工者の佐武・菱和特定共同企業体を構成する菱和建設(本社・盛岡

高田高校東側の高台造成地にある建設予定地=高田町

高田高校東側の高台造成地にある建設予定地=高田町

市)の民部田義男代表取締役、佐武建設(同・陸前高田市)の須賀芳也代表取締役は、無事故や一日も早い完成を誓った。

 整備地は高田町太田地内で、津波復興拠点整備事業高田北地区・東区内に位置する。海面高は約30㍍で、敷地面積は約4万6000平方㍍。南側にはキャピタルホテル1000が構え、北側には高田地区被災市街地復興土地区画整理事業の高台⑦造成地がある。

 新築となる建物は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の2階建てで、延床面積は1万596平方㍍。請負代金は53億8812万円(消費税込み)となっている。

 多目的ホールスペースの1階フロアではバスケットボールコート2面またはバレーボールコート3面をとれる広さを確保。このほかにステージや倉庫などを置く。2階にはホールを囲むように810席の観覧席を確保する。

 アリーナは、バスケットボール1面またはバレーボール2面の広さ。多目的ホール、アリーナ、交流室は隣接し、双方が行き来しやすく、一体的な利用も可能。このほかミーティングルームや98畳分の柔道場、試合場1面の剣道場、トレーニングルームも配置する。

 センター内では、バレーボールコートが計5面確保できる。隣接する高田高校にも第一、第二体育館があるため、完成後は大規模な大会運営の可能性が広がる。

 震災前は高田松原沿いにあったB&G海洋センターは、幅広い世代が温水プールなどを利用。新施設では25㍍6コースのプールに加え、幼児用プール、ジャグジーなどを設備。チップボイラーを入れ、地元木材のエネルギー活用につなげる。

 屋外には約400台分の駐車場がすでに完成しており、北側には今後運動広場も整備。運動広場には今年8月28日(日)に行われる国体デモンストレーションスポーツ・ビーチバレーボールの特設会場が設けられる。

 かつての体育館は高田町砂畑地内にあり、中央公民館や博物館などが隣接。「全国太鼓フェスティバル」をはじめ、市を代表する催事会場としても活用され、東日本大震災では多くの住民が避難した。

 新施設も、多目的ホールでは舞台活用を想定した奥行き10㍍のステージも設ける。高台という津波災害に対しては絶対的な安全性を確保し、避難所機能の充実も図る。工期は291218日まで。備品搬入を経て、同年度中の供用開始を目指す。