設備や取り組み評価、大船渡市魚市場が優良衛生品質管理市場・漁港

▲ 構内は衛生・品質管理が徹底されている=大船渡魚市場

 大船渡市大船渡町にある同市魚市場がこのほど、一般社団法人大日本水産会から優良衛生品質管理市場・漁港に認定された。4月中に磯崎漁業協同組合荷捌所(茨城県)とともに認定を受け、県内では洋野町営八木魚市場、宮古魚市場に次いで3カ所目。施設だけではなく、運営などのソフト面においても優れた市場が対象となるもので、現在は大船渡市魚市場を含めて全国13カ所が認定されている。市や魚市場では認定による産地水産物の付加価値向上やブランド化、販路拡大への効果に期待を寄せ、今後は市場・水産物の周知を図っていく考え。

 

県内3カ所目の認定 水産物のPR図る

 

 優良衛生品質管理市場・漁港認定は、大日本水産会が平成17年に開始した第3者認定制度。産地市場の自主的な衛生管理の取り組みに対して一定の基準を設け、客観的に評価することによって広く市場の衛生品質管理を推進することを目的としている。

 認定基準は大日本水産会が定め、市場の品質・衛生管理レベルについては一般社団法人・海洋水産システム協会が現地調査を行って決める。

 ハード面の認定条件は「施設面積」「施設内全体」「陸揚げ場」「排水設備等」など8項目。

 ソフト面の認定基準は「施設・設備の管理」として洗浄および清潔度チェック、換気などの「清潔保持」、人や車の入場規制といった「衛生管理」など、細かな取り組みが求められている。

 26年3月に完成して4月から供用開始となった同市魚市場は、屋根付き岸壁や閉鎖型荷さばき場、清浄海水導入施設などを整備。鮮度保持に効果の高いシャーベット状の海水・スラリーアイス方式の製氷施設を併設して、高度な衛生管理を実施。

 また、生産・流通の効率化や衛生、鮮度管理の充実強化を図るために高度情報化システムを導入し、タブレットを用いた入札や計量、衛生管理処理などにも取り組んでおり、年間水揚げ量は認定13市場の中でも随一を誇る。

 魚市場側が申請を行い、今年2月に同協会員が現地調査を行った結果、ハード、ソフト両面において高評価を得て認定を受けた。

 認定ロゴマークの使用も可能となることから、魚市場では今後、マークも活用しながら市場、水産物のPRも行っていく考え。

 市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「買い受け人、生産者の皆さんに効果がフィードバックされていけば」と認定による販売効果へ期待をかける。

 また、今年11月には全国各港から鮮魚が集まる東京都中央卸売市場の築地市場が移転となって高度な衛生管理化が図られることから、地方市場にはこれまで以上に衛生・品質管理の徹底が求められることが予想される。

 佐藤専務は「これからは中央市場、消費者に選ばれる地方になっていく必要がある」と力を込めた。

 期間は認定日から1年間で、更新を希望する場合は初回認定後の1年以内に現地調査を申請。2回目以降の有効期限は3年間となる。