三社の神輿勇壮に 盛大に余興や海上渡御 赤崎町尾崎神社 8年ぶり式年大祭/大船渡(別写真あり)

▲ 式年大祭のフィナーレを飾る曳船祭。多くの漁船が大漁旗をなびかせて湾内を巡行した=赤崎町

 大船渡市赤崎町に鎮座する尾崎神社(﨑山巌宮司)の式年大祭は4日、同町内で盛大に開かれた。祭りばやしに誘われ、町内外から多くの住民らが沿道に詰めかけ、古式ゆかしい儀式や華やかな余興を堪能した。

 五穀豊穰や豊漁などを願う大祭は、平成24年は震災の影響で中止となったため、実に8年ぶりの開催。同日は、午前7時からの神社での発輿祭で幕開け。会場には関係者や地域住民ら合わせて約1000人が詰めかけた。
 同神社から行列が繰り出したあと、社務所前広場で厳嶋神社、八坂神社の各神輿と合流。神事では、伊勢神宮(三重県)の「伊勢百桃の会」が巫女舞を披露。式年大祭実行委員会の鎌田和昭委員長は「活気に満ちた踊りを披露してほしい」とあいさつした。
 神事後は、中赤崎、蛸ノ浦、長崎、永浜、上三区が地区ごとに獅子舞を踊り、続いて各地区女性らによる手踊りも催された。
 同日は早朝から雨が降りしきるあいにくの天気となったが、町内には笛や太鼓のおはやしが響き渡り祭りムードを演出。踊り手たちは、それぞれが長期間かけて準備を重ねた成果を披露しあった。
 余興後は三社の神輿が清水漁港を目指して練り歩き、担ぎ手たちには沿道の見物客から盛んな声援が送られていた。
 祭りのフィナーレとなる曳船祭りの繰り出しは清水漁港で行われ、大漁旗をなびかせた地元漁船が神輿を乗せて大船渡湾を一巡。岸壁付近だけでなく、対岸の大船渡町にも多数の市民らが詰めかけ、海の町ならではの勇壮な姿に見入っていた。
 式年大祭後、鎌田委員長は「この盛り上がりを市民も理解してくれれば、活気のある大船渡になっていくのではないか。赤崎から元気を発信していければ」と語った。