「ジェンダーと防災」テーマに地域会議でスピーチ、大船渡の江刺さん/17日ベトナムで

▲ 「読書推進活動を通じた女性団体による復興支援と防災の基礎づくり人づくり」と題してスピーチを行う江刺さん

 さまざまな女性問題を解決するための国連機関・国連ウィメン(UN Women)が主催する「ジェンダーと防災に関するアジア太平洋地域会議」は16日(月)から19日(木)までの4日間、ベトナムの首都ハノイで開かれる。このうち、17日(火)に行われる「ジェンダー平等と防災の関係性を探る」をテーマとしたセッションには、大船渡市のNPO法人「おはなしころりん」理事長の江刺由紀子さん(54)が発表者の一人として参加。同法人が市民レベルで展開している活動と防災との関係などについてスピーチするとともに、他国での取り組みに対する理解を深め、日本の防災対策における女性の具体的なかかわり方を探る予定だ。

 

市民レベルの取り組み発信

 

 ジェンダーと防災に関するアジア太平洋地域会議は、各国政府が仙台防災枠組に基づいた自国の目標を設定する際、どういったジェンダーの問題や目標が組み込まれるべきか議論する場として実施。同枠組は昨年3月の第3回国連防災世界会議で策定されたもので、その中の「指導原則」において、「災害リスク削減には、全社会型の参画と協力関係が必要である」「女性と若者のリーダーシップが促進されるべきである」と明記されている。
 日本政府は同枠組の策定を受け、同年8月に開催した「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」のスペシャルセッションに、「女性と防災」というテーマを設定。江刺さんが東日本大震災の被災地で活動する地元の女性リーダーとして議論に参加した。
 防災にかかる女性のリーダーシップを促進するために意見を出し合った結果、四つの具体案が提示された。
 このうち、「若い人を含めた多様な人々の幅広い関心事を災害リスク削減活動に取り込み、その力を生かす」という提案が、江刺さんが同法人として取り組んでいる地域コミュニティー再生事業の内容と合致したという。
 同事業は「読書を通じて人々がつながり、そこに地域の連帯感が生まれれば、行政が行う防災対策においてもより効果的な結果になる」と実施しているもの。
 地域会議のキーワードの一つである「レジリエンス(回復力)」の基礎を築くために必要であると考えた江刺さんは、スピーチのタイトルを「読書推進活動を通じた女性団体による復興支援と防災の基礎づくり人づくり」に決定した。
 江刺さんが参加する「ジェンダー平等と防災の関係性を探る」をテーマとしたセッションでは、中国とベトナムの代表者もスピーチを行う。3カ国それぞれの取り組みについてプレゼンしたあと、▽震災時にレジリエンスを高めることができたか否か▽活動を継続可能にするためにはどうすればいいか▽甚大な災害が発生した際、どのような女性問題が起き、そこから何を学んだのか──といった疑問に対する結論を導くために議論。そこから得られた具体案を各国に持ち帰り、同枠組に関連した防災政策に反映することが期待される。