第20代議長に熊谷氏(新政同友会)、復興計画仕上げへ新体制/大船渡市議会

▲ 熊谷昭浩議長

 大船渡市議会(定数20)は13日、改選後初となる臨時会を開いた。全議員による投票の結果、20代目となる議長には第2会派の新政同友会に所属する熊谷昭浩氏(55)=無4期、赤崎町、副議長には最多会派の光政会から紀室若男氏(64)=無3期、末崎町=がそれぞれ選ばれた。議会選出の監査委員には、新政同友会の三浦隆氏(56)=無5期、盛町=が就くことになり、市復興計画の総仕上げとも言える4年の市政の一翼を担う新体制が決まった。

 

160514-1紀室若男副議長 顔丸

紀室若男副議長

160514-1三浦隆監査委員かおまる1d

三浦隆監査委員

議長選で投票を行う議員ら=大船渡市議会

議長選で投票を行う議員ら=大船渡市議会

副議長は紀室氏(光政会)に

 

 臨時会には、先月24日投開票の市議選で議席を獲得した20人全員が出席。開会後の議事は、最年長の東堅市議員が仮議長となって進められ、各議員の自己紹介、議会事務局職員と当局幹部の紹介、仮議席指定ののち議長選挙が行われた。
 議長の選挙方法は出席議員全員による単記無記名投票で、法定得票数は5票。投開票の結果、熊谷氏18票、森亨氏(46)=無1期、赤崎町=1票、無効1票となり、熊谷氏の第20代議長就任が決まった。
 就任あいさつで熊谷氏は「議会の真価が問われる4年になる。復興、将来を見据え、その役割を果たさねばならない。市議会の伝統、権威を守りつつ、この議会の使命を一生懸命果たしていきたい」と述べた。
 引き続き行われた副議長選挙では、紀室氏13票、田中英二氏(68)=共2期、三陸町吉浜=2票、無効5票の結果となり、紀室氏の就任が決定。紀室氏は「震災から5年、一日も早い復興を成し遂げるため、議会改革の推進と発展に、誠心誠意努めていきたい」と語った。
 改選後の会派は光政会、新政同友会、改革大船渡に加え、新たに日本共産党大船渡市議団が結成され、無所属3人と公明党1人の4人が無会派となった。
 正副議長ポストをめぐっては、二つ合わせて過半数となる光政会と新政同友会が基軸となって、改選前に引き続き「復興へ一枚岩」の理念をもとに協調姿勢をとり、調整を重ねてきた。
 慣例として当選回数が重視されてきた中、4期目で「中堅」と言える熊谷氏を推したことについて、新政同友会会長の三浦氏は「議会改革の実績などを踏まえ、他会派とも連携ができるふさわしい方をと選んだ」と語った。
 一方の副議長は、光政会会長を務める紀室氏が支持を集めた。事前の調整では「一本化」までには至らず、同日も5人が無効票を投じることとなった。
 正副議長とともに注目されていた議会選出の監査委員には、当選5回の三浦氏が推薦された。
 同日はこのほか、本議席指定をはじめ総務、教育福祉、産業建設の各常任委員会委員、議会運営委員会委員の選任、気仙広域連合議会議員や一部組合議会議員の選挙などを実施。
 市当局から提出された報告5件、議案11件も審議。27年度の一般会計、漁業集落排水事業と公共下水道事業の各特別会計における専決処分、田浜、甫嶺に設置する防災コミュニティセンター設置管理に関するものなどの条例案3件などすべてを承認した。
 このうち、赤崎小移転改築工事関連隣接県道整備工事は、3億1482万円で㈱佐賀組(盛町)と契約を締結。吉浜漁港災害復旧工事の請負契約金額は、変更前から3472万円減額の2億1204万円となった。
 また、末崎町字平林に県が建設した災害公営住宅(鉄筋コンクリート造4階建て、55戸)を市の財産として取得し、使用する。取得予定価格は1億6393万円。市営住宅(平南、山口西各アパート)の指定管理者には、㈱寿広(盛岡市)を指定した。
 各常任委員会と議会運営委員会の構成は次の通り。◎は委員長、○は副委員長。カッコ内は所属会派。
 【総務常任委員会】◎今野善信(新政同友会)○渕上清(光政会)田中英二(日本共産党)船砥英久(改革大船渡)伊藤力也(光政会)志田嘉功(無会派)
 【教育福祉常任委員会】◎滝田松男(日本共産党)○三浦隆(新政同友会)金子正勝(無会派)奥山行正(光政会)東堅市(新政同友会)小松龍一(光政会)船野章(改革大船渡)
 【産業建設常任委員会】◎千葉盛(光政会)○森操(無会派)森亨(同)平山仁(改革大船渡)畑中孝博(新政同友会)紀室若男(光政会)
 【議会運営委員会】◎小松龍一(光政会)○今野善信(新政同友会)東堅市(同)船砥英久(改革大船渡)渕上清(光政会)伊藤力也(同)船野章(改革大船渡)滝田松男(日本共産党)

 

正副議長と監
査委員の略歴

 

 熊谷昭浩議長(くまがい・あきひろ)平成16年の初当選から連続4選。総務常任委員会委員長、気仙広域連合議会副議長などを歴任した。大船渡工高卒。会社員。赤崎町字佐野94の2。昭和36年3月29日生まれ。55歳。
 紀室若男副議長(きむろ・わかお)平成20年の初当選から連続3選。産業建設常任委員会委員長、教育福祉常任委員会副委員長などを歴任した。末崎中卒。建築業。末崎町字大豆沢93。昭和26年10月6日生まれ。64歳。
 三浦 隆監査委員(みうら・たかし)平成12年の初当選から連続5選。教育福祉常任委員会委員長、災害復興対策特別委員会委員長など歴任。早稲田大卒。無職。盛町字内ノ目1の15。昭和35年1月25日生まれ。56歳。