気仙から応援メッセージ、CDに収録して贈る/ねまらいんが熊本地震被災地のFM局に

▲ 気仙からのメッセージがつまったCDを手にするパーソナリティー=FMねまらいん

 平成28年熊本地震で甚大な被害を受けた熊本、大分両県の被災住民を元気づけようと、大船渡市のコミュニティFM「FMねまらいん」はこのほど、両県のFM放送局に応援メッセージを収めたCDを贈った。同局のリスナーやパーソナリティーの思いが込められた一枚で、同局では継続的な被災地の応援を誓っている。


 東日本大震災発災後に設立された災害FMを前身とする同局には、現在もさまざまな形で全国からの支援が届いている。
 そのひとつが大阪府枚方市の「FMひらかた」のメッセージCD。FMひらかたが行っている「スマイルアゲインプロジェクト」の一環で、現在もリスナーや同市内のサークルなどで活動する人々の「心の支援」が大震災の月命日に当たる毎月11日前後に届けられている。
 FMねまらいん放送局長代理の及川透子さんは「遠方でも応援してくれる人がたくさんいることに励まされた」と初めてCDが届いたときのことを振り返る。
 熊本地震の発生後、FMねまらいんの面々は「今度は私たちの番」とメッセージCDの制作を企画。さまざまな番組の中で、CDに収録するメッセージを募ったところ、気仙管内のみならず、インターネットラジオで聴いていた県外のリスナーからも届いたという。
 収録したのは約10人分で同局のパーソナリティーが代読。さらにパーソナリティー4人のメッセージも収めた。
 お見舞いや激励の言葉が並ぶリスナーからのメッセージには、大震災での自らの経験がつづられていることも多い。
 及川さんは「メッセージ募集前から『熊本、大分のために何かやるなら賛同する』というリスナーの声が多かった。みなさんが被災地のために何かできないか考えていたと思う」と語る。
 CDの送付先は、熊本・大分両県のコミュニティFM6局と熊本県益城町の災害FMの計7局。コミュニティFMには16日に、災害FMには19日に送った。すると熊本県八代市のFMやつしろがこのCDを放送。被災住民を励ます気仙からのメッセージが同市内に流れた。
 今回CDを贈ったFM局とはこれまでかかわりがなかったが、及川さんは「これを機にお互いの局や地域の状況を知れたら」と今後、交流が深まることを願っている。また、メッセージCDを季節ごとに制作・送付することも検討しており「自分たちができる範囲で応援を続けていきたい」と力を込める。