国際貿易コンテナ、再開の見通し立たず/大船渡市
平成28年6月17日付 1面
大船渡市議会6月定例会は16日、前日に引き続き通告に基づく一般質問が行われた。今野善信(新政同友会)船野章(改革大船渡)田中英二、滝田松男(いずれも日本共産党大船渡市議団)森操(無会派、公明党)の5議員が市当局と論戦。このうち、大船渡港のコンテナ航路事業について、当局は東日本大震災後に開設した国際フィーダーコンテナ定期航路はコンテナ数が増加傾向にある一方、震災以降休止中の国際貿易コンテナ航路はいまだ再開の見通しが立っていないことを明らかにした。
フィーダー航路は増加、議会一般質問で当局答弁
大船渡港コンテナ航路事業を取り上げたのは、今野、船野の両議員。このうち、船野議員は同港と内陸部を結ぶ大船渡遠野連絡道路の早期整備を強く求めながら、国際貿易コンテナ航路再開の見通しなどを尋ねた。
金野好伸商工港湾部長は「早期再開を目指し、震災前に外貿コンテナ定期航路を運航していた韓国の船会社との交渉を続けてきた。復興状況を説明し、さまざまな方面から再開を強く要請しているが、先方からは震災による貨物量の落ち込みが回復していないなどを理由に、『航路再開は時期尚早』との回答が繰り返されている」と述べ、具体的な見通しが立っていないことを示した。
同議員は、平成29年度中に中国、韓国を結ぶコンテナ定期航路が開設される計画であり、県が荷役能力の高いガントリークレーンを整備する方針を示した釜石港の動きにも触れ、一部報道で「同じ港湾として喜ばしい」と述べた戸田公明市長の考えを質した。
戸田市長は、県内で取り扱うコンテナ貨物の9割以上が県外の港で輸出入されている現状も踏まえ、「釜石港の動きは、荷主企業の視点が県内港湾に向けられるきっかけとなる。県全体の港湾物流拡大につながり、県内の経済振興にとって喜ばしい。大船渡港は現在の船会社が北米、欧州への航路を得意とし、輸出入のバランスが取れて効率的などの優位性がある。これらを生かして積極的なポートセールスに努め、釜石港とは互いに補完、協調しながらともに港湾物流の拡大を目指していきたい」と答えた。
今野議員は、震災後に開設された国際フィーダーコンテナ定期航路の現状と課題などを質問。
戸田市長は、同航路開設後における実入りのみのコンテナ数の推移を示し、27年度には震災前の約9割まで貨物数を戻し、輸出入のバランスもとれていると説明。「コンテナ貨物取扱量が増加している要因の一つに、京浜港で帰還航路へのコンテナ船に積み替えることにより、東南アジア、欧州、アメリカなどとつながっていることが挙げられ、新たな荷主獲得にも生きている。課題には、京浜港での積み替えに時間や経費を要することや、現在の船社においては、中国、韓国向けの基幹航路が少ないことが挙げられる」と述べた。
中小企業基盤整備機構が整備した仮設施設について、移設や撤去の費用を市町村に助成する「仮設施設有効活用等助成事業」の期限延長について、市の対応などを質したのは滝田議員。
金野商工港湾部長は「当市では本設復旧に向け、国や県、市の助成制度の実施機関等を考慮したうえで最長で29年3月末を使用期限とし、施設、入居者、地権者に周知している。しかし、資金調達や後継者不足等の問題から本設への移行が困難な事業者も見受けられるため、29年4月以降も土地の継続使用が可能であり、施設の建築確認申請許可が取れるなどの条件が整った施設は使用者に無償で譲渡することとし、地権者や施設使用者と調整を進めている」と回答。
同議員は大船渡町の地の森八軒街、末崎町の末崎ふれあい商店街への対応も質問。
佐々木毅商工課長は「地の森八軒街は2棟のうち1棟は本年度撤去する予定だが、もう1棟は譲渡の方向で調整中。末崎ふれあい商店街は入居者に意向確認をしている段階。市の土地のため、売買価格や賃貸料金を提示し、その意向を受けて対応したい」と説明した。
田中議員は、9月末で常勤医師が退任する吉浜、綾里両診療所に関し、10月以降の医療体制や医師確保に向けた市の取り組みを聞いた。
佐藤高廣統括監は医師確保の取り組みについて、「市のホームページに募集内容を掲載するとともに、報道発表、県や県立大船渡病院、気仙医師会、県国民健康保険団体連合会などの関係機関、団体に対し、医師募集への協力要請を行っている。さらに民間の医師、紹介事業者も活用し、多面的な取り組みを全力で行っており、地域の方々に不安を与えないよう、機会をとらえて随時状況を説明していきたい。今後においても継続的な取り組みが必要なため、市内出身の医師情報の収集も行っている」と述べ、理解と協力を求めた。
森議員は、観光資源としてのサクラの整備について、行政としての取り組みや管理の現状などを尋ねた。
鈴木弘観光推進室長は「市内では都市公園、小中学校や高校の校庭、川原の土手沿い、道路の沿線、碁石海岸などいたるところで見られるが、それらは市が管理する施設を除き、施設管理者や各種団体等が自主的に植樹したもの。市としては都市公園や小中学校の校庭など、各施設の管理部署が必要に応じたサクラの整備を行っている。震災で流出した、須崎川沿いのサクラの風景復旧に向けて県と調整しながら本年度中に整備するよう準備を進めている」と回答した。
6月定例会は休会明けの21日(火)、最終本会議を開き、市当局から上程された報告、議案の審議を行う。





